青春そして青山

 今日は息子の高校生活最後の体育祭です。




 観客席が埋まらないようにと、妻と二人で八時前に学校に入ったのですが・・・


 しかし、すでにテントは全滅。

かろうじて、後ろのほうの席が空いていたので、そこに座って見てました。

 

 生徒たちも気合が入っています。

入場行進前に、連合長が声をかけます。

「笑顔でいくぞー!」

それに続いて

「おーっ!」と声がします。

「楽しんでいこーぜー!」



 グランドの真ん中に、応援団長とそして副応援団長が二人たって、静まりかえったところから、しーんと声を出します。それに全校生徒が応えます。毎回、ぞくぞくっとしますね。



 応援席にいる息子の姿を遠くから見ていました。

あのニヒルな息子が、精いっぱい応援していました。チームの誰かが勝つと、体全体を使って喜びをあらわしています。隣に立っている友と、笑顔で話をしています。


 こんな息子の姿は久しぶりに見ました。

 毎日遅くまで体育祭の準備や練習をして、今日を喜んでいました。


 そして、安心しました。

 息子は、いま生きていることを喜んでいるにちがいないと思いましたから。この世に出てきたことを悔いてはいないと思いましたから。


 いつまでも赤ちゃんで、いつも手をつないでいないと泣いていた息子だったのに、こんなふうに立派に育ってくれていたんだなと思ったら、うれしくって涙が出そうでした。


uni-nin's Ownd フジタイチオのライトエッセイ

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