結婚相談所から

 某駅前の結婚相談所というところから電話がきた。



 「フジタさんですか」というので「はい」と答えた。


 「フジタイチオさんはいらっしゃいますか」というので、「わたしです」と答えた。


 「こんど結婚相談所でとてもタメになる説明会があるので、ぜひどうぞ」と言われた。


 「わたしが説明を聞くのですか?」と聞いた。


 「そうです。きっとアナタのためになります」と言った。


 「いや、まあ、そう? タメになるの?」と迷った。


 「ここで、幸せの扉を開きましょう」なんてことをおっしゃる


 「うーん、とりたてて不幸でもないんですけど」と答えた。


 「いまはよくても、この先のことを考え、有意義な人生を送りましょう」といっている。わたしの幸せを親身になって考えてくれているようだ。


 「とてもたいせつなことです。ここで決断をしましょう」って、ああ、時間がないのかあ。


 「えっと、オタクさんは結婚相談所ですよね?」

 「はい」

 「結婚相談所は、結婚する相談するところなんですか、やっぱり」

 「はい、結婚で幸せの扉を開きましょう」

 「わたしの幸せですよねえ?」

 「はい、フジタイチオさん。わたしはアナタの幸せのためにお電話しております」


 他人であるわたしの幸せを、こんなに親身になって考えてくれる人がいるんだなあ。

 世の中まだまだ捨てたもんじゃない。でも、わたしの結婚となると、わたしの一存では決められませんねえ。女房に相談してみませんとねえ。




 どういうデータを使ってわが家に電話をよこしたのか、それにヒジョーに興味もちますわん。



uni-nin's Ownd フジタイチオのライトエッセイ

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