こんなモノを買ったシリーズ1

 さて、気をとり直してもういちど書きましょう。今日から始まる「こんなモノを買った」シリーズ。その第一回目です。
 
 
 ええ、長いこと生きておりますと、人はときにとんでもないものを買ってしまったりするわけでございますね。
 
 そう、わたしとて例外ではございません。日ごろ冷静なわたくしでございましても、ごく希に、「どうしてこんなモノを買っちゃったの?」と世間様から後ろ指さされるようなシナモノを手にしてしまうことだってあるのです。
 
 で・・・
 
 
 その第一回目のブツは、これです。
PACARD社製のラジオです。
どうです、クラシックでしょう。カッチョいいでしょー。古き良き時代を感じるでしょ。心に感じるアメリカの風です。
 
シブいラジオがほしいなーと思っていたところに、ちょうどいい具合にYahoo!オークションで売りに出されていたのでありますよ。まさに運命の出会い。
 
左側のツノみたいなところが折れているような気がしますが、たぶん気のせいです。 最初からそんなデザインだったにちがいありません。ええ、アメリカってそんなもんなんです。いったことないけど。
 
 
ちなみに、後ろからみるとこんな感じですね。
ベニヤ板のような気がしますけど、しかも、ささくれだっているような気がしますけど、なーんかイヤな気がしますけど、ええ、もちろん気のせいです、気のせい。アメリカってこんな感じなんです、たぶん。
 
 
おそるおそる 電気を繋げたら、すぐに「ぶー」と音がしました。正面左側にあるチューニングのツマミを回してみたら、地元ラジオ局の放送が入ってきました。
 
 ほ、ほらみろほらみろ。
 
 
しっかり受信できるじゃないか。だれだパッカード様のラジオを疑ったのは!
 
と、だれに向かっていうわけじゃなく、ほとんど自分に向けての独り言です。
 
いいねいいね、さすがアメリカだね。いい音だね。
よっし、ほかの局も聞いてみなくっちゃ。
 
と、選曲のツマミをぐいっと回したら
 
 
 
 
 ・・・あ、あれ? 
 
 
 
 ポロッととれたっす ( ̄∇ ̄;)? 
 


ちょうど、なんの放送も入らないところで、ツマミがポロッととれたっす。
 
 
 ・・・・わ、わあ。

 
 
 
  お買いあげの条件:ノークレームノーリターン。
 


な、なかなかおもしろいことしてくれるじゃないの。
わあ! えーん!

 


い、いや、泣いている場合ではありません。
こんなことでくじけちまってはイカンのです。
ラジオの道はキビシーと、覚悟のうえでの買物です。
 
 
で、分解して直しましょうと、ようするに直しちまえばいいわけです。直してしまえば壊れていないと。
 
 
よーしいくぜー! と後ろのフタを開けてみれば・・・
 
 
じゃじゃじゃ 
 
 
 じゃーん!
 
 
  なんじゃこりゃー!
 
 
 
 なんと、中はすっかすか。
 
 
「わお、真空管がどこにもないじゃないか!」
 
真空管ラジオなのに、真空管が一本もなーい!
 推定価格980円のラジオの部品が、テープと糊で貼りつけてあるだけー。
 
  
わお、ナイスあめりかー! 
 
 
 
 
 *もちろんこれはニセモノでございまして、アメリカにはなんの非もないわけであります。むしろ被害者でございますね。
 いま、このラジオは大阪の知人宅に送ってあるのですが、そちらの調べで、鉛をはじめとしたとてもヤバい金属が溶かされているラジオであることがわかりました。あんまり触ると、手が痒くなるというシロモノでございます。いやん、ナイス。
 
 とまあ、やっと書き直して完成しましたわよ。
ええ、昨日書いたのはもっとおもしろかったんですけどね、もう戻らないあの時間。ああああ!

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