刺激的食生活

 部屋で横になっていましたら、ちいさな声で「こわいー」と聞こえたような気のせいのような・・・そしたらまた「こわいー」とこんどはもっと近くで聞こえて、ええ、娘だったんですけどね。
 
 
 ハヤシライスを作るのでジャガイモを切っていたら、中から虫が出てきたそうで。
 「どんな虫?」
 「くにょくにょしてる虫」
 「わあー、おとうさんもこわいー」
 
 
 そんなわけで二人して苦手な部類の生きものです。
これが妻なら「ほれほれ」とか言いながらつまみだして、手のひらに載せて自慢げに見せるんでしょうけどね。わたしたち、そんな恐いことできませーん。
 
 でも、なんとかしないことには夕ごはんができませんので、意を決して台所にいきました。
 
 行く途中で縁側犬のハチが喜んでまとわりついてきました。ああ、こいつは虫なんて平気なんだろうなあって、やや尊敬してみたりして。
 
 さて、まな板の上でそれらしいイモの部位を発見しました。
 
 それをほとんど目をつむった状態で包丁に載せ、生ゴミ入れにポイッと投げこみ深呼吸一発。
 
 
 そして心の中で「うん、なにごともなかった」と言い聞かせ、娘に「よしOK!」と緊急事態の収束を宣言しました。
 
 娘が「ほんとに大丈夫?」と訊くので、実際のところは見ていなかたんですけど、自信ありげに「大丈夫!」と答えました。
 
 婆さまの作る自家用の野菜って、ときどきこんな感じで虫と遭遇するので刺激的です。
 
 

uni-nin's Ownd フジタイチオのライトエッセイ

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