麺々

 家を出るときは「あたし、五目あんかけヤキソバにするの」って心に決めていた妻なのに、着いてからメニューを見たら本日のお薦め麺が「炸醤麺(ジャージャー麺)」なんて書いてあるからもうたいへん。
 
 土壇場で迷って迷って「五目あんかけ、でも、えっと、えっと、やっぱり炸醤麺」なんてことを言ってしまった妻でありました。
 
 いや、炸醤麺でなんの後悔もなかったのであります。
とってもうまかったそうですよ。
 
 けれども、家を出るときに食べようと思っていた五目あんかけヤキソバを食べなかったことも非常に心残りであるらしく、次はぜったい五目あんかけヤキソバを食べるんだって、帰りの車の中でずっと言っていました。
 
 でも、また「本日のお薦め麺」を見て、その場で心変わりするような気もするんですけどね、はっはっは。
 
冷たい麺にあたたかい挽き肉のあん。
ほどよい辛さがステキらしく、「おいしいおいしい」と食べていました。
「でも、おとうさんにはムリかなー」なんてナマイキなことを言ってましたねえ。
 
さて、わたしはというと、家を出るときから心に決めていた「チャーシュー麺」。
妻とちがって頑固ですwww。
これ、ぜったい美味いはずと思って、ずっと前から狙っていました。
真上から写したら立体感が表現できにくくなっておりますが、まん丸いの形の可愛いドンブリに、醤油味の清く正しいチャーシュー麺。一口食べれば「うん、チャーシュー麺だ、わーい」と小さく声を出してしまう感動の味です。
 
いっちゃわるいですけど、ちかごろはチャーシューを残したくなるチャーシュー麺に出会う機会が少なくありません。
 
そんなときの残念感といったらもう言葉にできませんけれど、あえて言ってみるなら、カツ丼頼んでカツを残したくなったり、カレーライスを頼んだけどカレーは完食できなかったり、ステーキ頼んだけど、つけ合わせのポテトだけ食べてやめたくなったりするような、そんなふうに非常に残念な状態と言えばわかりますでしょうか。
 
けれど、このチャーシュー麺はうまい! もう正真正銘の確かな味でした。正々堂々の醤油味で、チャーシューも味が抜けていないしっかりチャーシュー。
 
細かく刻んだネギが適度にまとわるシコシコした麺を食べながら、ときにチャーシューを囓りメンマを食べる。
 
スープを飲めばこれまた細かく刻まれたネギがいっしょに口に入り、シャキシャキと噛みながらゴクンの飲み下す。気がつけば、ああ、スープまで完食です。
 
ちなみにこのお店の名前は、新発田にある中国菜館 萬福さんです。今回は二人で食べて千五百円。中華のお店のラーメンは、ほんっと、いいお味でした。
 
 
 

uni-nin's Ownd フジタイチオのライトエッセイ

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