濡れる街角

 夕方ちょっと時間ができた。

走ろうかな。
 
 空からゴロゴロ音がしているけれど、ま、関係ないわけで。



 走りはじめたら雲が少し暗くなってきた。
 
 そしてパラパラと雨が当たってきた。
 熱い体にちょうどいい。

 風はゆっくり向かい風だけど、それが涼しくていいや。


 乾いた道路が雨を吸う匂いがした。
これ、わりと好き。
 
 シロツメクサが、雨に濡れて、たぶん喜んでいるな。


 
 うわー、メガネに水滴がついて、前が見えにくいぞっと。



 陸橋を走っているとき、下から大きな声がした。
見たら、一輪車を押している若者だった。
 
 「がんばってくださーい」と言っている。消防団員だろうか、それとも見ず知らずの人だろうか。


 「おーっす、ありがとー」と手を振った。


 ガードレールがあちこちで「バーン」と音をたてている。
熱くなっていたのが急に冷えて縮む音であろうか。
そのあと10分ほど、賑やかに鳴っていた。


 

 折りかえしで、こんどは追い風。雨が止んだ。

 
 ゴールが近づくにつれ、道路が乾いてきた。
 
 雲の切れ間から太陽が出てきた。
 また暑くなってきた。



 暑くなって、こんどはガードレールが伸びるときの音がすればいいオチになるのだがなあと思って走っていた。


 だが、そう都合よくはいかない。
鳴りもしないのに「鳴った」と書くのはやめとこうかwww。


 
 11キロ走ってゴール。いつもより7分速いや。


 
 


 玄関の戸を開けたら、愛犬ハチが待っていた。
 ただいま。
 

uni-nin's Ownd フジタイチオのライトエッセイ

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