サボテンの話

  講演会でよく語っちゃう「ギャラがサボテンだったときの話」
 
 まだわたしがエッセイストとは言われてなかったころ、モノを書いて得る報酬が「サボテン」でした。
 
 「フジタは金を欲していない」なんていう噂が流れてしまったらしく。
 
 そ、そんなことぜーんぜんないんです。
 
 
 「金なんて、汚い! そんなもんをフジタは嫌う」
 
 いえいえ、嫌うだなんてめっそーもない。
キタナいだなんてとんでもない。 
 
 
 「だから、フジタは現金の代わりにサボテンを受けとるのだ」
 
 どうしてそんな噂になったのかわかりませんが、ああ、とにかく、一時期の我が家はサボテンがやたらと増えたのでありました。「サボテンよりも現金がいいんだけど」と、言いたいけれど言えなかったあのころ。
 
 
 先日、郊外の食べもの屋さんにいったとき、駐車場に放置されているサボテンを見つけました。
 
 わたしがもらっていたサボテンは、まさにこれです。懐かしくって、写真撮っちゃいました。
 

uni-nin's Ownd フジタイチオのライトエッセイ

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