新聞の勧誘のケシカラン話

 某中央紙関係から電話がかかってきた。

 若くはない女性の声。東京の番号だった。



 「いま購読しているのは新潟日報ですか?」と聞かれたので「はい」と答えた。



 そしたら

 「来年か再来年でいいですから、半年間こちらの新聞をとってくれませんか」とのこと。



 べつにセールスっぽい言い方ではない。本来のセールスの人とはちがうのかなという感じ。しかし、ずいぶん先のことをいうのだなあと思っておかしくなった。



 「来年か再来年っすか?」と、つい聞き返してしまった。



 「ええ、再来年までの間に半年以上購読していただけると景品で洗剤云々・・・」と。



 「い、いやあ、そんな先のセールスってすごいですねえ」と笑ってしまったら

 

 「はーい、。ご存じのように、いまたいへんなんです。すぐにとは言いませんので、どうかお願いできませんか」



 「そうですねえ、たいへんそうですねえ。でも、わたしは少しだけ日報の仕事もしていますから、それ、ちょっとムリですわー。ごめんなさいねー」



 「あ、そうなんですか?」



 「はい、そうなんですよ」



 「残念です」



 「うん、残念ですが二紙とるほどお金持ちじゃないしね。勧誘がんばってくださいねぇー」



 「はい、がんばります。こんどうちにも書いてくださいね」



 「はーい、書かせてくださーい」←このあたり、もうお互い社交辞令(笑)



 セールスというと、もう最初っから対決姿勢になりがちなわたしだけど、この人は純朴なイナカのオバサン(失礼!)みたいで、なんだか憎めなかった。本来は勧誘が仕事ではないけれど、愛する社のためにやむにやまれずという感じにも受けとれた。



 個人的には好きになれない新聞社であるが、彼女がその新聞社を愛しているということは十分伝わってきたし、勧誘の仕方も不快ではなかった。



*******

 以前、家にきて「○○新聞とってくれ」とコワオモテで怪しげなオヤジに言われたことがある。

 「うちは日報オンリーですから」と丁重にお断わりしたら「それやめて、半年でいいからウチのをとればいいんだよ!」なんてことを恫喝的に言う。



 さすがにプチッとキレて「なんだ、その言い方! いらないんだよ!」と反応してしまった。



 そしたら諦めて帰ったんだけど、帰りしな「とればいいんだよ、とれば!」なんてことをまた言って扉をバタッと閉めていった。



 こういう乱暴な新聞の勧誘があったと新聞社にクレームを入れても、「それはうちとは関係なく販売店がやったことでして」みたいな対応されると聞いた。



 それって、違法なワイロを受けて「それは知らないうちに秘書がやったことで、わたしには知りませんでした」みたいな政治家の言葉みたい。



 そんなとき新聞社ってその政治家にすっげー突っこむと思うんだけど、自分のときは優しいのだなあと思った。



 販売店に、「そのような下品で暴力的な勧誘をするようなことをしたら、当社の新聞の販売はやめてもらう」くらいのことは言わないのだろうか。



 誤解のないように書いておきますが、わたしの知っている限り、販売店の皆さんや配達の皆さんはみんないい人たちです。ときどき、こういう怪しげなセールスがくるし、それを新聞社が「関係ない」と言っていることに違和感があるってことです。





 *あ、こんなことを新聞社のブログに書いてもいいのだろうかと思ったけど、ま、いっかー。

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