ブリッとなー♪

 今日、悲劇があった。

 多くは語りたくないが・・・



 じつは整髪用にジェルを使ってる。



 こんなヤツである。



 まあ、とくにメーカーの好みもなく、ただ、前髪が下がってこなければOKなので、適度な粘着力があればいい。



 洗髪してそのまま乾かすと、サザエさんに出てくるタラちゃんみたいな髪形になる。



 ダンディなオトコを目指しているのに、タラちゃん頭じゃうまくなかろう。

 タラちゃんカットのゴルゴ13なんてのがいたら・・・いや、それはそれで怖いな。



 まあ、そんな話はいい。





 体育館で自転車を漕いで汗を流し、シャワーを浴び、髪も洗った。



 その後ドライヤーで乾かし、みごとなタラちゃん頭になったところでTシャツとセーターを着た。

 それからこのチューブをギュッと握ってジェルを手のひらに出したら・・・



 その途端

 「ぶびびびび!♪」と激しく響く大音量!



 チューブの中身が少なくなり、ジェルといっしょに中の空気が出てきた音だ。



 粘着性のジェルを押しだす空気の音との共同作業。

 それってまさにゲリP状態のナニの音と同じなのだよ、ほんと。



 「ぶびびびび!♪」の大きな音に驚いた周りの人たちが、一斉にわたしを見た。



 「い、いや、ちがうし。ジェルの音だし」とテレパシー全開で訴えるのだが、気まずい雰囲気のままだし。



 「あ、皆さん信じてないし。ほんとだし、ジェルだし、ほら」と、再びジェルを手のひらに出しながらアピールしてみるのだが、すでに出口付近のジェルは下に落ちているのでスカスカと空気の漏れるちいさな音しか聞こえない。



 「い、いや、あの、だからね、さっきのはゲリPの音じゃないし、え、えっと、そう、口でだって出ちゃうような音でしょ」なんてテレパシーを発っしながら唇を震わせ「ぶー」とか鳴らしてみたのだが、かなり音がちがう。



 結果的にかえって疑惑が深まって、ああ、オレのバカバカバカ。



 そんなことしていたら、顔見知りの爺さんがわたしのところにやってきて、なにも言わずに左肩を優しく二回ポンポン叩き、そのあと「うんうん、わかったわかった、皆まで言うな」なんて悟ったような笑顔で肯き、静かに去っていった。



 ね、ねえー、勝手に納得しないでよー、ねえー。



 ホントにゲリPのナニじゃありませんからー。



 ああ、信じてください・・・

 なんかください・・・





 *残念ながら、完全に実話だったりする。




uni-nin's Ownd フジタイチオのライトエッセイ

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