腕につけられるとイジケるヤツ

時計のバンドのコマを探していた。



いまでも太くはないが、若いころはもっと手首が細くて、それに合わせてコマを外していた。



時計の金属のバンドは、コマってのが繋がって一本になっている方式が多いんだけど、たとえば



こんなの。こういうのが繋がって一本になっている。

これをつけたり外したりしてベルトの長さを調節できる。



年齢とともに手首が成長したようで、数年前からこの時計を付けると窮屈に感じるようになっていた。しかし、遠い昔に外したコマは手元に残っていない。まさか手首が成長するとは思っていなかったから、潔く捨ててしまったと思われる。ああ、オレのばか。



その時計はクォーツのオメガ・シーマスター・ダイナミックという。

電池で動くやつだから、ゼンマイ式のような複雑な機械が入っているわけではない。いまなら買わないかもしれないが、これは特別。



新婚旅行で買ってきたものだから、ちゃんとした状態にしておきたいと思っていた。



だからヤフオクでコマを探していた。



しかし、なかなか出てこない。

そのかわり、コマはなかったが時計本体が売りに出てきた。もちろんコマを買うより高かった。しかし、値段はコマ2個分くらい。迷った末に買った。もうコマ単体には出合えないと思ったから。



届いたシーマスターは、かなり傷んだものだった。

前の持ち主は、ホントにこれをつけて海に潜っていたのかもしれない。時計全体に無数の小キズがついていた。



まあいい。コマを一個もらうのが目的なんだから。



 右のシルバーがわたしの時計。左のゴールドの時計が今回手に入れたもの。



つつがなくコマを一個取ってシルバーのシーマスターのベルトにくっつけて、メデタシメデタシ。一コマとっても、まだわたしのシーマスターより少しだけ長い。ならば傷だらけのゴールドのシーマスターはこれからも使える。消防団で活動するときにでもつけていこう。傷つく心配しなくていいので、遠慮なく使えるし。



しかし、そのシーマスターを腕につけて一時間ほどしたら、時間が数時間も進んでいることに気づいた。



あれれ、おかしいな? たしかにしっかり合っていたはずなんだが。



もう一度時間を合わせて机の上に置き、それから数時間、正確に動いていることを確認してから再び腕につけたみた。

はじめのうちは、問題ない。



しかし、腕の体温が内部に伝わったころになると、急に秒針の動きが速くなる。

この時計は、腕につけないかぎりは正確に動く腕時計らしい・・・



だ、だめじゃん。



まあ、このゴールドの時計は使いものにならないとしても、31年と半年前に買った思い出の腕時計を使えるようにできたので、妻もきっと許してくれることだろう(希望的観測)。メデタシメデタシ。



今夜は江南区の面識会。自治会や消防団、民生委員さん、さまざまな人が集まる。久しぶりにこのシーマスターをしていこう。これなら帰りに雨が降っても焦らなくていい。・・・いや、時計は無事でも人間が焦るな、やっぱり。






uni-nin's Ownd フジタイチオのライトエッセイ

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