叩かれた消防団・・・
書こうかどうかと迷ったが、後悔のないように書いておこうと思う。
何日か前から「消防団員が訓練のあとに消防車でウドン屋に寄ったことが問題になっている」なんていう話を聞かされていた。
「ああ、またか。情けない」というのが正直な気持ちだ。
いや、これは「また」消防団員が不祥事を起した・・・という意味ではなく、「また」マスコミが消防団を悪者にし正義の代弁者を気どろうとしているのだなという「またか」である。
消防団を叩けば世間が賛同すると思っていることへの「情けなさ」である。
誤解のないように書いておくが、訓練のあと消防車に乗って、しかも活動服を着たまま食事をすることは法に違反することではないだろうがホメられたことではないと思っている。わたしは、団員たちにそのようなことはしてはいけないと常々言ってある。わざわざ通報されたりマスコミのネタになるようなことをすべきではないと。
だから、ウドンを食って通報されたことは、ある意味、ミスだ。
そのミスを認め、潔く詫びた分団長は立派だ。言いたいことは山ほどあったろうに、大袈裟にしないよう自分の責任にしてその場でおさめようと思ったのだろう。
情けないのは、それをわざわざ記事にして「ほら、どうですか、ひどいでしょ?」と載せている新聞社があることだ。
「制服で消化」・・・消火する立場の人間がウドンを消化させていたというオヤジギャグか?
その記事をもとに「ほら、善良な市民の皆さん、怒っていんですよ。ほらほらもっと怒りましょうよ。正義は勝つんだから!」みたいなテレビ放送にもガックシくる。
市民がインタビューにこたえるという形で「わたしたちの税金で給料やガソリン代を・・・」などとテロップが出ていたようだが、「はあ?」「給料?」というのが正直な気持ちだ。たしかに給料は出ているが、それがいくらなのか知っているのだろうか。いや、そもそも消防団員と消防署員との区別がついていない?
そうそう、それで気づいた。わたしたち消防団員は、 現場に自分の車で出動することが多々ある。消防車に定員があるから全員は乗れないのだ。考えてみれば、そのガソリン代について請求しようとも思っていなかった。ただ火を消さなければとしか考えていなかった。そっかー、出動するにもガソリン代がかかっていたんだよねえ。自分たちの普段の稼ぎの中からガソリン代を捻出していたんだよねえ。
この新聞社は以前にも消防団の告発記事を書いている。そのときは、それなりに消防団を利用して点数を稼げたのかもしれない。しかし、今回は思うようにはいかなかったようだ。消防団を擁護する声が多くて、正義の代弁者にはなれなかったようで残念でした。
消防団を擁護してくれる意見を読んで、涙が出そうだった。ちゃんと見ていてくれている人がいるんだと思って嬉しかった。団員のことを理解してくれる人たちがとても増えている。ありがとうありがとうと、ひとつひとつに感謝した。
ちなみに、以前の記事というのは、消防団が宴会をしたことをケシカランと告発していたものだ。公金使ってコンパニオン呼んで酒呑んで、しまいにはタクシー乗って家に帰ったと。ちょうど消防団の本を書き、すでに印刷が終わりあと数日で発行というときだった。あと一月早かったら、その本の中に反論を載せることができたのにと悔しかった(次に出した本の中でしっかりと反論させてもらったが)。
消防団が団員として飲み食いするお金は、自分たちが活動することによって得たものだ。休日を返上したり、自分たちの仕事を休んで出動したときにもらう微々たる活動費を貯めたお金が主なものだ。自分たちの稼いだ金で酒を飲んで、どこが悪い。告発する人たちは、自分たちの給料でご飯を食べたり酒を飲んだりはしないというのか。飲んだらタクシーに乗って帰って、どこが悪いのか?
それを世間が理解しないというのなら、もうそんな世間には媚びることなどない。
消防団などという組織は、なくしてもらったらいい。
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