イヤな法則

 ちょっとばかりバイクでバババッと外を回ってきたんですよ。

 

 そして、台所にいる女房のところにいって「ただいまー」と言ったらですね、ちょっと様子がヘンなんですね。


 「おかえりなさい。テーブルの上に荷物があるわよ」と、アゴをヒョコッとあげて不機嫌におっしゃるのですよ。 


 ああ、どうしてこういうときに限ってこういう品物が届くのでしょう。
 「あ、これは、えっと、ほら、えっと」とかナントカ言いつつ激しくウロタエます。 


 女房にナイショで買ったベスパの部品。なかなかボロいテールランプです。


 「だってだってすごく安かったんだぜー」とか、「ビンテージで滅多に手にはいらないんだからさ」とか、まあ私なりに理由はあるのですが、それが説得力のあるものだとは自分自身も思いません。


 だからナイショだったのにー。 

 そういうものに限って、女房が家にいるときに届くのですよ。 

 これってどういう法則でしょ。


 こうならないために、配達の時間指定というものがあるのですが、指定した時間に家にいられるかどうかわかんないから、せっかくきてもらっても申しわけないし。だから指定できないんですよねえ。



 あっ、またピンポーンとチャイムが鳴りました。

 ほら、私が階段をおりる前に女房が台所から出ていくしー。いつもなら出ていかないやつなのに。きっとまた荷物ですよ。もしかして、ナイショで買ったデジカメかも。


 ああ、今後の展開が、すっごく不安です。

部屋から出たくない気分です。 泣いちゃおうかしら。えーん。



uni-nin's Ownd フジタイチオのライトエッセイ

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