笑いのツボ

 ランニングチーム「チームつるかめ」にはじめてのアメリカ人、スティーブが加入してくれた。

 年齢は三十代前半。奥様は日本人のハナちゃんというかわいい人である。日本を美がまた一つアメリカに持っていかれた。ああクヤシ。


 このスティーブ、姿形はとってもカッコイイ。いわゆる二枚目なのだ。そして、性格もいい。


 はじめて会ったときに、わたしは合気道の達人だと自己紹介したら、その後は疑いもせずずっと信じ続けてくれているし、マラソンの名人とも思ってくれている。スティーブって、素直でいいやつだ。



 さて、そのスティーブ、見た目はカッコいいけど、ときどきヘンなオヤジギャグを言う。


 つるかめメンバーの(昨日紹介したステッカー製作の)「とめ」に向かって 「おー、とめさんを『とめ』ます」なんていうシベリア寒気団まっ青な寒いギャグを恥ずかしげもなく言い放つ。いまどきこういうギャグは女の子にモテない。


 だから、わたしが日本を代表してスティーブにギャグを教えてやることにした。


 「スティーブ、日本人にウケるギャグのセンスをキミに教えてあげよう」


 とわたしが言ったら、スティーブは

 「フジタサンで、ダイジョブデスカ?」なんて失礼なことを言う。


 「スティーブ、だいじょうぶだ。なんたってわたしは言葉の魔術師である作家だよ」

  「サッカ?」


 「イエス。アイアム ジャパニーズのフェーマス ライターさ」と胸を張って言ったら、スティーブってば


 「ぷっ」と笑った。




 あ、スティーブ

 そこ、笑うとこじゃありませんから・・・


uni-nin's Ownd フジタイチオのライトエッセイ

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