手編みのセーター

 きなり毛糸のフィッシャーマンセーター。


 着ていると必ず聞かれる。

 「それ、奥様の手作りですか」と。


 いいえ、買ったんです。



 妻は、婚約時代に一度だけセーターを編んでくれた。

 それは首のところがちょっとばかり大きくなってしまって、着ると少々不格好。
 その失敗がかわいくて、ついついからかってしまった。

妻はそれを気にして、二度と作ってくれない。
 一生懸命に作ってくれたのに、かわいそうなことをしたと思う。

もういちど作ってくれないかなって思う。




uni-nin's Ownd フジタイチオのライトエッセイ

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