すみません、地味で

 知らず知らずに「店員さんオーラ」を出しまくっているらしいという話を昨日書きました。

 

 どうもわたくし、本来の職業であるモノカキオーラというものがないようです。



 講演会に呼ばれ、「こんにちは」と校長室に入っていったら「あ、そっちそっち」と校長先生にパイプ椅子のある部屋に案内されたことがあります。


 「ま、ちょっと待っていなさいよ。そのうち、事務の人がくるから」とエンエン三十分「いや、まいったねえ。今日はオレにも喋れって言うからねえ、講師よりいい話しちゃったらどうしようかねえ、はっはっは」と言う校長先生と、親しく世間話なんぞしていたことがあります。


 係の人もそのあたりにいたのですが、だーれもわたしのことを講師だと気づかなくて業者さんと思っていたようです。

 わたしも自己紹介するきっかけがなかなか掴めず、いやー、困りましたねえ。講師のフジタとわかったときの校長先生ったら、大げさでなく30センチは飛びあがってました。すみませーん。



 またあるときは、入ってすぐに受付があったので「こんにちはー藤田です」と挨拶しましたら、「はい、ここに名前を書いてください。できるだけ前のほうから座ってくださいね」とニコヤカに言われたこともありました。


 で、しばらく観客席の前のほうに座っていたんですけど、どーもちがうみたいな気がしたので、マイク持って「テス、テス!」って言ってる人に「あのー、講師なんですけどー、ここに座ってていいんですか?」と言ったら「どひーっ」とひっくり返られました。


 でも、こういう反応があるのはいいほうですね。


 「フジタです」と言っても「あ、おれサイトー。だからなに?」みたいに自己紹介しちゃって忙しそうにどっかいっちゃう人もいて、そんなときはあとを追いながら「えっと、今日の講演会の講師に呼んでもらった藤田でしてー、えっと、えっと」とシドロモドロになって、しまいに「すみませーん地味で」と謝っているときがあります。


 


uni-nin's Ownd フジタイチオのライトエッセイ

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