迷い猫

 最近、うちの庭に猫がいます。


 亀のカメジにあげようと思って玄関先に置いた袋入りの煮干しが、ビリッと破かれて中味が空っぽになってました。


 袋を持ちあげ「あーあ」と言ってたら、三メートルほど先に灰色の猫がいてわたしを見ていました。


 子猫をちょっと卒業し、オトナになりつつあるような猫。





 人をそれほど警戒していないので、赤ん坊のころからの野性じゃなさそうですね。

 わたしが近づくと、そのぶんだけ離れます。

 走っていくと、猫も走ります。一定の距離を保ったまま、こちらを見ています。


 うちの庭にいられても迷惑だし、カメジにちょっかい出されるのも困ります。でも、邪険にしたらかわいそうだし。


 ときどき道路を渡ってうちの車庫の前にいたり、隣の家の竹やぶにいたり、車にひかれても困るしねえ。かといって、飼えないし。


 ハチの残したエサを庭のすみっこに置いといたけど、雨で流れていっちゃいそう。



 

uni-nin's Ownd フジタイチオのライトエッセイ

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