これでいいのでしょうか



 心の病に苦しんでいる友だちがいます。
 
 友だちは、教育関係の仕事をしています。
 その友だちに、公の上部組織から
 
 「あなたは欠勤が多いので、来年度は採用しません」と電話がきたそうです。
 
 驚いた友だちは、上司と一緒にそれを通告してきた上部機関に弁明にいきました。


 そうしたら、言われたそうです。

「欠勤してるってことは、仕事してないってことですよねー。おたく、どーゆー気持ちで欠勤してんですか? よく、こんなに休めますね」と。
 


 どうしてわかってくれないんでしょう。

 わたしの友だちは、好きで仕事を休んでいるんじゃないのに。ずるくて休んで遊んでいるんじゃないのに。
 


 友だちは最近「五週間休まずに仕事にいけたよ」と仲間たちに感謝のメールを出していました。
 みんなも「よかったなあ。がんばったなあ」って喜んでいました。


 しかし、その上部組織の人は

「たかだか、五週間連続で仕事に出たくらいで、一年働ける保証なんてどこにありますか。たかだか、五週間でしかないくせに」
と答えたそうです。


 そう。年中働ける人にとっては、たかだか五週間なのでしょうね。

 具合わるいときがあっても、ふつうはちゃんと休まず仕事にいっているぞということなのでしょうね。
 

 わたしの友だちが、どんなに力をふりしぼって職場にいったのか。

 わたしの友だちが、これまでどんなに苦しんできたのか。

 
 
 それを理解しようとせず「職務怠慢」と言いきってしまえる健康な人はステキです。
 
 
 そんな人が、子どもたちの教育に関る公の仕事をしているのです。


 心を壊して学校にいけない子どもたちのことも、もしかしたら「怠慢によるもの」と思っているのでしょうか。


 懸命に登校してきた子のことを「たかだか一日きたくらいで・・・」なんて思っているのでしょうか。
 
 
 
 友だちとその上司の懸命な訴えにより、あちらにも査定の落ち度があったことを認めてくれて、今回は「雇用打ち切りを取り消す」との連絡があったそうです。
 
 
 でも、「この先は一日でも欠勤したら雇用を打ち切る」という条件付きで。なんですか、これは。パワハラですか?


 わたしの友だちは、これからは一日も病気になれません。年老いた両親が倒れても、休むことはできません。子どもが熱を出しても、そばにいてやることができません。

 
 いいのでしょうか、これで。
 
 

uni-nin's Ownd フジタイチオのライトエッセイ

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