猿虫の日記

 アメカゴのアメとものコマドリさんというかたが、珍しい虫を見つけたという日記を書いていました。
 
 
 そこにあった写真は、おお、まさに懐かしの「猿虫」ではありませんか。
 
 
 
 
 そんなわけで、今日は猿虫の日記を引っ張り出してきました。
 
 42歳のときに書いたもので、約10年前の話です。
 
 最後にコマドリさん撮影の猿虫の写真も載せますので見てください。
 
 
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 「猿虫」


 とあるところに一時間ほど車を停めて戻ってみると、屋根に異物が乗っておりました。
 
 おやおや、鳥のウンピーかなと思ったら、こやつ、動くんです。


 よーく見たら、生きものでした。
 
 それが驚くなかれ、猿なんです、猿。
 
 
 いや、哺乳類の猿じゃございません。足が六本ありますし、大きさも小指 の爪くらいなんです。
 
 しかし、これがどう見たって猿なんです。高崎山でリンゴを食ってる猿の姿にそっくりなんです。
 
 この世に生を受けて42年(当時)。ワタクシ、こんな虫は初めて見ました。

 
 「頭でけーなー」と見とれていたら、「うっせーな。見るなバカ」という感じで尻をむけたのでムカツキました。
 
 だから、ポケットティッシュの袋に包んでつかまえてやりました。

 
 車に乗ってジックリ見たら、やはり猿なんです。六本足の猿で口からストローみたいなまっすぐな管を出しております。
 
 「出せ、バカヤロ」と騒いでいましたが、もちろん出してあげませんでした。
 
 家にもどってクワガタムシの水槽に入れておいたのですが、三十分後に見たときには逃げられてました。
 
 女房に、「猿虫が逃げた」と訴えたのに相手にしてくれません。

 
 娘にも、「猿虫が逃げた」と訴えたのに相手にしてくれません。
 
 ただ、9歳の息子だけが「え? サルなの、サル? 見たい見たい見たいー」と騒いでくれました。
 
 
 息子に、猿虫がいかに猿であるかを説明したら、「すごいすごい」と感動してくれました。
 
 
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 今回、なんとその猿虫の写真が手に入ったのであります。
 正規のスクープ写真。コマドリさん、えらい!
 
 
 これが猿虫です。本名はきっとべつにあると思いますけど、ふふふ。
 
 わたしのイラストとちょっとちがうような気がしますが、えーと、気のせいです、ええ気のせい。清らかなココロで見ると、うりふたつに見えますです、はい。
 
 
 

uni-nin's Ownd フジタイチオのライトエッセイ

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