七夕の夜、子どもたちへ

 講演会で、ときどき読ませてもらいます「子どもたちへ」
 
 それ7月7日FM新津の七夕スペシャル(七夕屋台に願いをこめて)番組で使ってもらうことにしました。
 
 
 読んでくれるふなかよの声を想定しながらのリメイクです。
 
 
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「七夕の夜、子どもたちへ」
 
 キミの生まれた日のことは忘れない。うれしくてうれしくて、なんどもキミのホッペに顔をくっつけていた。
 
 子どもたち。

 親には心配かけていいんだよ。どうせ親なんて、どんなときでもキミたちのことを心配するんだもの。いや、モノワカリのいい親を演じているんじゃなくてね。
 
 もしキミたちが急にイイコになったりしたら「うちの子はいい子すぎるんじゃないかな」って、きっとまた心配しちゃうんだもの。
 
 キミたちが悪いことをしたら、そりゃあ叱る。親だもの、しっかりと叱る。でも、だからといって、キミたちのことを嫌いになんか、けっしてなれない。
 信じておくれ、子どもたち。どんなに心配かけられたって、それはみんな受けとめてみせるから。
 そう、たったひとつのこと以外はね。

 
 聞いておくれ、子どもたち。キミたちの死よりも大きな悲しみなんて、私は知らない。
 いまさらだけど、もういちど親を信じてくれないかな。またあのころのように、親を信じてくれないかな。いつも手をつないでいたあのころのように。抱っこされることが大好きだったあのころのように、また親を信じてくれないかな。
 
 難しいかな。頼りないかな。もう、信じられないかな。
 
 死を選ぶ前に、お願いだから、もういちど話しをしてくれないかな。

その苦しみを預けてくれないかな。わたしたちもいっしょに苦しませてくれないかな。
 
 お願いだから、子どもたち。きらいなヤツのために死んだりするな。好きな人のために生きてくれ。キミのことを大好きだって言う人が、キミのまわりに大勢いることに気づいてくれ。そしてなにより、キミ自身のために生きてくれ。


 キミがいなくなるその悲しみよりも大きなものなんて、わたしたちにはないのだからね。
 
 お願いだから子どもたち。
 わるい子になってもいいから、ダメな子になってもいいから、ずっとずっと生きておくれ、子どもたち。
 
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 ふなかよが、とても深く読んでくれました。 
近いうちに、FM新津のHPに音声のリンクが貼られると思います。そのときまた紹介いたしますね。
 
 

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