休日の料理

わシリーズ
「休日は妻の手料理で」
 
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 平日の夕ごはんは、わたしが作っています。

 作るようになったのは六年ほど前からでしょうか。妻の仕事が忙しくなり、夕ごはんのできあがりがとても遅くなってきたからです。


 空腹に耐えかねたある日、せめてゴハンだけでもと思って、わたしは妻が帰ってくる前に米を研いで炊いておいたのでした。


 台所に入り、ゴハンが炊けていることを知った妻は、わたしの思っていた以上に喜んでくれました。あんまり喜ぶので気をよくし、翌日は豚肉にキノコとハクサイを入れた鍋料理も作ってみました。ちょっと味が濃くてショッパかったと思うのですが、妻は「おいしいおいしい」と言ってオカワリをしたのでした。それ以来、平日の夕ごはんは、わたしが担当しようということになりました。


 しかし、エラそうに「担当」とは言いましても、じつはワタクシ、いまだに包丁でジャガイモの皮むきもできないのです。キャベツの千切りもできません。魚も一切さばけません。


 もともと手先は器用なほうで、小刀を使って豆鉄砲や竹トンボを作ったりするのは子どものころから得意だったのですが、同じ刃物でも包丁はどうも馴染みがありませんでした。


 ジャガイモの皮をむくときは皮むき器を使い、キャベツはスライス器具で千切りにし、魚は切り身専門です。ちなみに、一人暮しの学生時代は、リンゴもナシも皮をむかずに、そのまま囓って食べていました。


 このあたりは言い訳になりますが、わたしの年代の男たちは、中学校で家庭科を習っていなかったことも原因のひとつかと思います。いまとちがい、男子は「技術科」、女子は「家庭科」としっかりと分かれていた時代ですから。


 さて、休みの日には以前のように妻が夕ごはんを作ってくれます。食材がキレイに刻まれて、味つけも安定しています。やっぱりわたしとはちがうなあと思います。ていねいに作られた妻の料理をゆっくり食べていると、一週間の疲れがとれて、ホッとします。

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 ちなみに、今夜はタレカツ丼とカレーコロッケ・・・組み合わせとしては疑問もありますが、どっちも好きだからいいのですわ。
 
 

uni-nin's Ownd フジタイチオのライトエッセイ

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