フライト

わシリーズ(忘れてしまわれそうなエッセイシリーズ)
「フライト」←いまもあるのかな?
~~~テキトーに前略~~~~
 休み中に自然科学館というところへ親子四人で遊びにいった。プラネタリュウムも見られるし、本物のロケットにも触れる。電気自動車に乗れるし、その他モロモロ恐竜の化石や科学実験と、ナンダカンダのテンコ盛りで大人も子供も安い料金で一日中遊べるから、このご時世ではたいへんにお得で助かるのだ。
 そのなかでいちばん気にいったのが、なんといってもフライトシミュレーション。これは旅客機を新潟空港から離陸させ、あちこち好きなところを飛んでいくというもので、九人乗りの操縦席に入って、実際に操縦桿を握りながら新潟の空を飛ぶというものだ。旋回すれば体が斜めに傾くし、急上昇や急降下にも椅子が前後に動いてそれっぽい。


 操縦はひとり1分までという制約があるのは残念だけれども、人気があるのでしょうがなかろう。


 わたしの番がきたとき、インストラクターのお兄さんに「このまま国境を越えて某国上空を飛んでいってもいいのであるかい?」と聞いてみた。


 「それをやりますと領空侵犯で撃墜される仕様になっております」という返事だったが、真偽のほどはわからない。
 しかし、万が一にも撃ち落とされるのは本意ではないので、しょうがないから「では新潟県庁駐車場に緊急着陸します」と宣言し急降下してみた。乗客からちいさな悲鳴が聞こえた。
 
 しかし、すんでのところでわたしの持ち時間が終わり、操縦桿は妻にうつった。良識ある妻は、急上昇して新潟県庁の危機を救った。


 こんな夫婦を見て、子どもたちは「お母さんのほうがオトナだよね」なんてケシカランことを言っているから、やっぱりおもしろくない。

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uni-nin's Ownd フジタイチオのライトエッセイ

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