北風と太陽
わシリーズ
「北風と太陽」
寒い寒い。北風がぴゅーぴゅー吹いてます。畑のビニールハウスの天井が破けちゃって、わたしの母が困っています。
時間が経てば経つほど被害が大きくなるのはわかっているのですが、この強風の中でハウスの上にのぼって修理なんて危なくってできません。まったくもって、困った北風です。
そうそう、北風と言えば「北風と太陽」というイソップ物語をご存じかと思います。
北風と太陽のどちらが強いかということで言い争いになって、どちらが道ゆく旅人の服を脱がせることができるか勝負をしてみたというお話です。
北風は旅人の服を吹きとばそうとビュービューと風を吹かせますが、旅人は震え上がって着物をしっかりおさえ、しまいには「寒い寒い」とマントまで着こんでしまいました。
それに対し太陽は、陽の光を旅人にあて続け、ついには旅人が自分で服を脱ぎ捨てて「暑い暑い」と近くの川に入っていったのでした。
子どものころ、人には北風のように厳しく接するばかりではだめで、太陽のように、優しく寛容的な態度で相手の心を開きましょうというふうに聞かされました。そのときは「なるほどそうかな」と思ったものですが、いまはべつな意味もありそうだなと考えています。
つまり、あの太陽の光だって、北風同様に厳しい攻撃だったと思うのです。いわゆる暑さの攻撃です。旅人にとっては、けっして、穏やで心地のよい光でなかったからこそ、たまらず服を全部脱いで川に入ってしまったのではないでしょうか。
ようするに、「ひとつの問題を解決するために、いろんな方法があることを知りましょう」という意味もある話なのかなといまは思っています。
ああ、そんなことよりもビニールハウスの修理があるのでした。
今日の「旅人」はわたしです。わたしの意思とは関係なく北風との勝負に巻きこまれてしまいましたが、これに負けっぱなしではいけません。こうなったら、ハウスの中に脚立をたてて、そこにのぼって中から修理をしてみましょう。そこなら風に飛ばされることもないでしょうから。
今日の「旅人」はわたしです。わたしの意思とは関係なく北風との勝負に巻きこまれてしまいましたが、これに負けっぱなしではいけません。こうなったら、ハウスの中に脚立をたてて、そこにのぼって中から修理をしてみましょう。そこなら風に飛ばされることもないでしょうから。
これから旅人の反撃が、始まります。
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