麻酔の効かなかったころ
わたしには、麻酔の効かない時期がありました。
正確には、限りなく効きにくいときと言ったらいいのでしょうね。
二十数年前の、娘が保育園に入る年です。
ある病で手術をし、その一週間目のことでした。
病室のベッドの上で「コホン」と小さく咳をしたら、腹部に激痛が走り、その後一晩苦しみました。
ナースコールで痛みどめの注射をしてもらったのですが、ほとんど効かず。
夜勤のナースに訴えても「さっき打ったばかりでしょ!」と怒られました。
しかし、あのときは本当に痛かった。痛みにのたうちまわるという表現がありますが、痛みが強すぎると、その場から動けなくなるんですね。のたうちまわる力があるなら、痛みを耐える力に回したい。
翌朝、急性の虫垂炎(実際には違ったのですが)と診断され緊急手術となりました。手術室には先生が二人、あとナースが数名いました。休日なのにわたしのために緊急手術ということになって、もうしわけなく思いました。
さて、手術室に入り脊椎麻酔をやってもらったのですが、どうも効いた気がしません。足にまだ感覚があるのです。
先生にそう伝えたら「え?」と言ってピンセットでわたしの腹部をつまむので、思わず「痛い!」と声を出しました。
そしたら、、「あ、ほんとだ」ということで麻酔のやり直しです。
もういちど脊椎に麻酔をしてもらい、少し足が温かく感じるなとは思ったのですが、やっぱりどうも効いている気がしません。
先生にそう伝えると「うーん。でも、少しくらいは感覚があるものだよ」と言います。
そう言われると、しかたありません。
「そんなもんかな」と思っているうちに手術が始まりました。
メスが入った瞬間に激痛です。
痛みを訴えるわたしに驚いた先生は、スタッフに指示して点滴に強烈な痛み止めを入れてくれたようですが効いているのかどうなんだか。とんでもない痛さです。
うめきながら、全身に力を入れて耐えるしかありません。
開腹してすぐに、先生方の様子も変わったのを覚えています。
それをみて、 「これは虫垂炎ではないな」と、苦しみながらも冷静に感じていました。
どうもまた話が長くなりそうなので、とりあえずこのへんで・・・
続きはいつかまた。
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