摂理というか

 朝、バイパスの真ん中で、なにかが死んでいた。
大きさからいって、たぶんネコかタヌキか。
 
 跳ねられ、そこに雪が降ってなんども踏まれてしまったのだと思う。
ほとんど形は残っていない。毛皮だけ残った物体。
 
 二時間ほどあとに、またそこを通った。
 
 カラスが十数羽。
クチバシで毛皮をつまんで、羽根をハタパタやりながら道の端っこにひっぱっていった。
 
 車はみんなカラスとその屍骸をよける。わたしもよける。
 
 
 また二時間後に通ったときは、カラスも屍骸もなくなっていた。


 気持ちわるいとか、かわいそうとか、 そんな人間の感情には関係ない世界が、そこにあった。
 
 その死んだ動物は気の毒だけど、最後にカラスの中に入ったってことは、よかった気がする。
 
 
 
 
 

uni-nin's Ownd フジタイチオのライトエッセイ

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