父に買ってもらったシチズン
高校入学を記念して、父がわたしに買ってくれたシチズン。
あのころ、父のことは嫌いだったけど、この時計は好きだった。
あのころ、父のことは嫌いだったけど、この時計は好きだった。
いまはもう絶滅危惧種のカットガラス風防。
自動巻きで26石で、名前はLEOPARD。辞書で調べて「豹」だと知った。
角度によって文字盤の色が変わる。正面から見ると緑だけれど、ちょっと傾けると紫になる。
いま思えばどうでもいいことだけど、あのときは「日本にいくつもない文字盤なのだ」と時計屋のオヤジさんに言われ、それでどうしても欲しくなってこれにした。
40年前の時計であるけど、定期的にメンテに出していたからいまでもちゃんと動いてくれている。
重たいし、ぶ厚い。ゼンマイで動いている時計。
今日の午前中、父を病院に連れていった。
いまは父のことが嫌いではないけれど、ボケた行動にイラついて、ちょっと怒ってしまった。
ちいさな子みたいにシュンとなった父を見て、・・・父を嫌っていたあのころの、わたしを見ている父を思った。
家に帰って、この時計をひさしぶりに腕につけた。
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