となりのオジサン
そうそう。忘れないうちに書いておきましょ。
先日の東京行きの新幹線ですけどね、ちょっと刺激的だったのですよ。
新潟駅から自由席に乗って、高崎過ぎてもずっと一人。
ああすっごく快適と思っていたのに、大宮についたら「ここ、空いてますか?」とニコヤカに言うオジサマがいて、「はい、どうぞ」と答えたわたしでした。だって、「連れがいます」とかってウソつく度胸ないしー。
で、そのオジサンですけど、100キロ超級でど迫力なのよね。年齢は、わたしよりちょっと上くらいかな。
「どーもー」とか言いながら左隣にドンと座ったら椅子が揺れるし。オジサン、座るというより、ドシンと尻餅ついた感じ。
そしてそのあと荒い呼吸でスポーツ新聞を広げたんだけど、毛深い右の腕が微妙にわたしの左腕にあたるわけで、あー、わざとじゃないんだろうけど、そーいうの、イヤなんですけどぉ。
こっちがちっちゃくなって左腕を体にピッタリくっつけて固まってます。
そんでもって、なんか臭いがへんなんですけど。
どんな臭いかと言うと、塩鮭系フレグランスなんですけどぉ。
オジサン、汗かいて乗ってきたのよね。フレグランスに悪気がないのはわかっているけど、ああ、辛いの、それ。
これが焼いた塩鮭の切り身ならば食欲増進なんだけど、100キロ超級の生の塩鮭が隣にいると思ってください。食欲どころじゃないでしょ。
体がくっつかないようにとわたしの左半身は防御のために硬直状態が続くわけで。ああ、つらいわー。肩こるわー。
オジサン、新聞読み飽きたみたいで、それを畳んでこんどは寝るみたい。
おーい、ダメだろー。寝るなよー!
寝たらぜったいこっちに倒れてくるパターンだろうし、おーい。
あー、でも、イビキが聞こえるしー 。寝付きよすぎだろー(*/∇\*)
案の定そのあとは新幹線の揺れに合わせて右にいったり左にいったり。
オジサンの腕がわたしの腕に当たるとやけに冷たいんですけどー。
なんか、毛深いし、オジサンの腕、やっぱり濡れているみたいなんですけどー。
わー、やだわー。
ねえ、オジサン、お願いだから上野で降りてよ、ねえ、お願いだってばー上野公園には西郷さんがいるわよー。ねえ、オジサンにちょっと似てるみたいだし、ねえ、パンダもいるし、上野っていいわよー、ねえー!
でも、そういうときは、もう絶対に降りないし、ナニがナンでも東京駅までいっしょだし。ああ、これが好みの女性だったりしたらもう幸せ感じまくりなんだけど、塩鮭フレグランスの毛深い100キロ超級のオジサンだと泣けるわー。
もう、わたしの左腕、オジサンの毛深い腕が何度も当たって、そのたびにゾッとトリハダだもの。
巨大なアメリカシロヒトリが隣にいるみたい。
オジサンったら目が覚めたら毒虫になっているってパターンかもよ。
そっか、きっと巨匠カフカはこんな状況で「変身」のネタを思いついたにちがいない(ちがうと思う)。
こんな状況をメッセージで知人に伝えたら、「好みの男性の横に座れて、ついうっとり寝てしまったモーホーさんじゃないか?」なんて返事がくるし。
きゃー、それはいやっ。
「東京駅でどうなったかも教えてちょんまげ。名刺渡されるかも」なーんて言われても、名刺もらっても、こーまーるー。
で、とうとう東京駅到着。
どうなったかというと・・・・
オジサン、なにごともなかったように立ちあがり、さっさと歩いていきましたとさ。
ちぇ。
オチがつまんねーし←なんかドラマを期待している自分が怖い。
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