ある仕事

 それはハチが死んだ日のことだった。



 ほんとはなにもする元気はなかったけれど、その日の午前中に講座があって、講師としていかなければならない。



 こんな心の状態なので、受講生の皆さんに申し訳ないなと思ったが、どうしようもない。



 約束の場所に顔を出し、「今日は声がよくでません」と謝まって、それでもなんとか講座を終えた。





 家に帰ったら、書評の依頼のメールが届いた。



 そのタイトルは「犬・・・・・・・・・・・・」。

 なんというタイミングだろう。



 先にあちらの世界にいき、ちょっとオトナになったハチが、「おとうさん、しっかり仕事しないとダメです」と言っているようだ。





 今日、本を受けとってきた。



ステキな本だ。



ハチ、だいじょうぶだ。

おとうさんは、ムテキだ。






uni-nin's Ownd フジタイチオのライトエッセイ

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