良寛さんとタケノコ

 そうそう、良寛さんのタケノコの話、知ってますか?


 五合庵の床から生えてきたタケノコがどんどんのびて天井にたどり着き、もうそれ以上のびることができなくなってしまったそうで。それをみた良寛さんは、ローソクの火で天井をやいて屋根に穴をあけ、タケノコが自由にのびることができるようにしてやろうと考えたわけで。ああ、消防団としては許しがたいことですけど。案の定、火事になってしまったとさ。 ヾ(・・) おいおい って話


 

 じつは我が家の車庫の中に、隣の家の竹やぶから壁の隙間を通り抜け、細いタケノコが生えてきたことがありました。



 邪魔だなあと思ったのですが、良寛さんを思い出し、切らないことにしました。車庫の中に竹が生えているのも風流でいいかもしれないし。



 後日、予定どおりにタケノコが竹になりました。文字通りの若竹です。



 「なかなかいいねえ」と思って見ていたのですが、じつはぜんぜんよくなかったのです。



 なんと竹は幹や枝から白い粉をふき、それが車のガラスやボディに落ちてきました。



 ただの白い粉だし・・・と次の洗車までほっといていましたら、これがもう大まちがい。



 車にしっかりとくっついて、どんなに洗ってもとれなくなりました。一か八かでフロントガラスを紙やすりで擦ってみたら、たしかに染みはとれましたが、そこだけ曇りガラスになってしまって慌てました。



 わたしがせっかく親切に育ててやったというのに、その恩を仇で返すような竹に怒りを覚え、その場で切ってしまいました。



 その白い粉は、四半世紀過ぎようかといういまでも、薄くなったとはいえ、そばで見るとしっかりと染みになっております。



 皆さんの車庫に竹が生えたら、良寛さんの真似はしないほうがいいですよ。滅多に生えることはないと思いますが。



 

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