葬式は悲しい

 今日は葬式。

 昨日はお通夜だったけれど、こちらは先約の集まりがあって、妻に行ってもらった。



 そして、今日の葬式はわたし。ご本人とはそれほどの付き合いはなかった。



 会話したことも、過去に一、二回程度かも。



 顔は知っていても、あまり関係は深くない。

 享年84歳のオヤジさん。

 まあ、じゅうぶん生きたと思われる。大往生と思われる。



 たんたんとお経を聞いて、淡々と酒飲んで家に帰る予定だった。



 しかし、お別れのときにその連れあいさんが「おじいちゃん、ありがとね」と言いながら、顔を撫で花を添えた。



 その姿を見たら、泣けた。

 あんまり知らないその人の、人生が少し見えた気がした。

 子どもも孫も、みんな「ありがとね」「さよなら」と言い泣きながら花を入れていた。



 わたしのホホに、勝手に涙が伝わっていた。



 やっぱり、葬式は、悲しい。







uni-nin's Ownd フジタイチオのライトエッセイ

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