ポッポ焼きの手も止まる屋台のオバサマ

 いつも夜明け前に初詣にいきます。今年は6時ちょっと過ぎましたけど、まだ外は真っ暗でした。そんな冷たくシーンとした朝は、心も体もキーンと引き締まる感じですね(個人の感想です)。



 さあ、新潟市で初詣と言ったら、その帰りにはポッポ焼きを買ったほうがいいと市報にも出ていた(ないない)くらいで、市の条例でも新年の乾杯の前にポッポ焼きを食べましょうって書かれていた(ないない)ほどの新潟県下越地方のソウルフードと言われている(これ、ほんと)食べものでございます。





 今年も清く正しく初詣にいき、ポッポ焼きを買ってきました。



 神社のなかにある屋台ですが、毎年おおよその場所が決まっているようですね。あの角曲がってすぐにあるポッポ焼きとか、そのちょっと向こうにあるたまらなくいい香りのお好み焼きとか、毎回同じところにある感じですもの。



 ただ、店は同じでも売ってる人はちがうようです。



 去年の人はタバコ咥えながらポッポ焼きをいじってなかったよなあとか、お金を触った手でポッポ焼きをつかんでいるよなあとか、ポッポ焼き購入部門セミプロのわたしは、お参りする前に店の状態を把握しているのであります。



 今回決めた店は、三人でやっているところにしました。初老のオヤジさんが焼いて、若い男性が袋に入れて、推定年齢68歳のおばちゃんがそれをビニールの袋に入れお金を受けとる係の完全分業制でやっている屋台です。ポッポ焼きを直接触るお兄ちゃんは、けっしてお金には触れません。ただひたすらお客から注文のあったポッポ焼きを紙の袋に入れるだけ。そして入れた袋を渡すだけに専念しております。



 わたしがお兄ちゃんにお金を渡そうとすると「いや、あっち」と言っておばちゃんの見ます。



 そっかそっか、けっして食品を触る手でお金を触らないのだねと納得し、おばちゃんの背中を見ながら待っていたら・・・待っていたら・・・ああ、待っていたら・・・後ろにお客さんの列ができているってのに、ああ、なかなかおばちゃんがポッポ焼きをくれない。でも、プロはプロなりの段取りがあるだろうし、でも、ちょっと時間がかかりすぎるみたいだし・・・



 「あ、あのー・・・」と控え目に声をかけたらですね・・・



 おばちゃん「わっ、寝てた!」と大きな声を出して、慌てて手に持った袋をわたしに渡してくれたのでした。一晩じゅうがんばっていたんですねえ。お疲れさま。 



 

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