おとうさんはややこしい:二ヶ国語放送

 お昼に電話がかかってきた。



 婆さまの知りあいの婆さまからだった(ババ友)。



 「はい、ばーちゃんいますよ、ちょっと待ってくださいね・・・」と言ったらあちら、しばし絶句。



 そのあと「おここ、おめさん、オトーさんだかね?(訳:あらやだ、わたしはたいそう驚きましたよ。いま電話で話しているアナタは、もしかしてフジタ家のご主人さまですか?)」と訊かれた。



 「はい、そうでーす」



 「おめさん、入院したてんでねんかね?(訳:いったいどうしたことでしょう。アナタはトイレで転んで怪我して入院していると聞いたのですが、それがどうしてこうやって電話に出ているのですか? わたしにはそれが不思議でなりません)」



 「転んで入院したのはうちの爺ちゃんですわ。わたしはおかげさまで元気ですから。はい、じゃあ婆ちゃんとかわりますねー」



 「おーこここ!(訳:あらやだホントにもうビックリですよ。長生きしているといろいろなことがありますね)」



 というような会話があった。



 きっと誰かから



 「フジタのおとうさんが便所で転んでケツ打って入院した」という話を聞いて、おとうさん=フジタイチオ と思ってしまったのだろう。爺さんでもおとうさん、フジタイチオもおとうさん、ああ、ややこしやややこしや。



 おかげさまで、うちの爺さまは11日に退院できました。寝ていた時間が長くて足が弱ってしまいましたが、筋力は徐々に回復していくことでしょう。また前立腺が肥大していて排尿困難のため、導尿のカテーテルを入れてあります。不自由でしょう。でも、一日に何十回もトイレにいくことを思えば体には楽でしょうね。そのぶん、さらに足腰が弱りそうですけど。






uni-nin's Ownd フジタイチオのライトエッセイ

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