今回、父の願いはかなわず

 紹介状をもって病院にいってきました。



 玄関に父を下ろしたら、係の人が車椅子に乗せてくれました。



 そして、わたしが駐車場に車を持って行っているあいだに、父を中に入れて受付の前に運んでいてくれました。



 ていねいにお礼を言って、総合受付に紹介状を見せたら、「ではこちらに」と案内してくれて、受付の紙までとってくれました。その後もスムーズに進み、問題なく診察室の前に到着いたしました。



 いつきても親切なスタッフの皆さん。ありがたいです。





 予約した時間を少々過ぎて、父の番になりました。

 

 入ってすぐに

 「紹介状見せてもらったんだけど、ムリですね」と言われました。



 「はい?」



 「前の病院でもそう言われたんでしょ?」



 「はい、言われましたけど、いちども検査してもらっていないんです」



 「しなくてもわかりますよ。もう三か月もこうなってるんだからわかりますよ」



 「でも、整形外科に入院する前は、管入れてなかったんです。トイレまで動けないので管入れて、動けるようになって外してみたら出なくなってて、それからずっとそのまんまなんです」



 「よくあることですよ」



 「え?」



 「だいいち、いまはうちの病院では前立腺をとる手術は基本的にしてないんですよ。癌だったら別だけど。前立腺の手術のときはS病院を紹介しているんです。もっとも、そこに行っても危険だからやってくれないでしょうけど」



 目の前のモニターには「息子さんが手術を強く希望」と表示されている。



 「手術はわたしの希望ではなく、父の強い希望です」



 「痴呆入ってるんでしょ?」



 そういうことを、本人の目の前で言いますか。



 父は、自分に痴呆の症状が出ているという自覚があります。だから、そこを指摘されると黙ってしまいます。





 「とにかく一生、このまんまです! では●番受付で待っていてください!」



 と、ちょっと大きめの声で決めゼリフをもらって、終了です。

 今回は希望が叶わぬことを悟りました。



 しかし、触診を含め、前の病院でも今回の病院でもいちども検査をしていません。

 ただ「ムリ」と言われるだけ。



 

 診察室から出て、父には「また別の病院いってみよう」と伝えました。父は「うん」と肯きました。





 その足で母の入院している病院へ二人で見舞いにいきました。



 父は今日の診察の結果を母に伝え、落胆する母に、「オレの頭がヘンだから、手術できないんと」と言っていました。せつないです。







*このブログを公表したとたんに、たくさんのコメントをいただきました。

皆様に誤解させないよう一言書かせていただきます。この病院は施設内に入った瞬間から、スタッフの皆さんのとても優しい気持ちに囲まれます。これまで治療やお見舞いに何度もきていますが、そのたび、嬉しい気持ちになれました。この病院はとてもいい病院です。



ただ、今回はわたしの気持ちに、ちょっとばかり余裕がなかったのでしょう。この先生の言葉も、わたしが冷静ならば、なにごともなく受けとめて帰ってくることができたのかもしれません。ご心配おかけいたしました。わたしも父も諦めていませんから ('▽'*)♪

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