サボテンの花

 朝、あずきの遊び場へ、水まきをしていた。

 草の種をまいたので、早く芽を出させようかと。





 あちらの縁側で、母がわたしを呼んだ。



 行ってみたら、サボテンの花が咲いていた。



 薄い黄色い紙で作ったような花だった。





 地面から直接生えている野良状態のサボテンだ。



冬になると凍ってしまうけれど、春になるとまた生き返る。



 今年はこんなきれいな花を咲かせた。

 

 財津和夫の歌「サボテンの花」は悲しく冬に咲いた花だった。

 しかし、うちのサボテンは初夏に咲き、幸せの花になる。





 午後、時計屋さんから電話がきた。



 一ヶ月ほど前に預けた腕時計のオーバーホールが終わったとのこと。

これであと四、五年は大丈夫か。



 これを受けとって、またひとつ置いてきた。

置いてきたのは、寄せ集め部品で作ったようなチュードル。ヤフオクで買った。



 家に戻って一人でコーヒーを飲んでいた。



 子どものころは苦いだけでとても飲めなかったコーヒー。

 しばらく砂糖とミルクをたっぷり入れて飲んでいたが、結婚してからは妻の真似してブラックで飲むようになった。



 弟がさっききて、モツ煮とラスクを置いていった。今日が休みになったから群馬に行ってきたそうだ。

 ヤツのことだから、誕生日を意識したわけじゃなく、ただのオミヤゲであろう。





 自分の内外で時間が続いてきた。

 さまざまに出来事が重なった。



 おかげさまで、58歳になった。

 いつのまにか、ここまできた。



 大ぜいの人からお祝いの言葉をもらった。

 自分は幸せ者だと思った。








uni-nin's Ownd フジタイチオのライトエッセイ

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