100:じゃあ、また。

 ちょっと前まで、人は努力すればみな宇宙飛行士や大リーガーになれるのかと思っていた。運動能力や頭の良さは、すべてが努力の結果なのだと思っていた。できないのは努力と根性の不足かなと思っていた。



 でも、ちがった。

 もちろん、努力なしでは難しいだろうけど、努力してもできないこともあるらしいことを知った。いや、だからといって努力を諦めてはいけない。努力したぶんだけ目標に近づくのはたしかなのだ。祈るだけで到達することはできないのだ。



 ただ、生まれ持ったものも関係があるんだよなと思った。



 もっと言えば、たとえばオリンピック。

 100メートル走は努力した順にメダルをとるかというと、そういうわけではなく。



 もちろんたくさんの努力が必要だということは間違いない。そしてそのうえさらに素質が必要なのだ。

 素質だけでも金メダルはとれないだろうけれど、短距離に向いた生まれ持っての筋肉がなければ世界の頂点には立てないだろうし。



 その100メートルの世界記録保持者が、努力すればマラソンの世界記録を作れるか・・・というと、それはやっぱりムリと思う。短距離に特化した人は、長距離用の筋肉は作り難いのだから。



 短距離のチャンピオンの素質を持った人が、長距離ランナーとマラソンしてみて見事に負けて、また逆の立場で逆の競技をやってみて見事に負けて、「ああオレって運動能力ないんだな」と思ってしまったとしたら、それはすごくモッタイナイ。自分の持つ100の能力のうちの、まだほんの少ししか気づかないうちに諦めちゃうことになってしまう。



 ジタバタするのは見苦しいのかもしれないけれど、ジタバタしてでも、自分の100を見つけていこうと思う。



 まだまだオレは100になっていないと思っているからね。




 この記事を最後に、日報のモアブログでのライトエッセイは終わります。ここでこれまで3,000を超えるブログを書いてきたようです。ほぼ毎日書いてきて、我ながらよくネタがあったなと思います。そしてがんばったなと思います。



 でも、書き続けてこれたのは、ネタだけではありません。もちろんわたしのがんばりだけでもありません。



 書いたことに反応してくれる皆さんがいたからです。

 だれも応えてくれないのに書き続けられる強さは、わたしにはありません。



 読んでくれていた皆さんに、ほんとうに感謝いたします。長いあいだありがとうございました。



 そして担当してくださった日報の皆様、ときにはハラハラするようなことも書いたかもしれません。それでも今日の最後の日まであたたかく見守ってくださりありがとうございました。



 また新しい場所で、皆さんのことを想いながら書き続けて行きます。

 どうぞこれからもお付き合いください。



uni-nin's Ownd フジタイチオのライトエッセイ

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