じつはお宝だったという

 以前、ボクシングのグローブを集めるのが趣味だと書いた。



 「こんなにいくつもグローブ買って、あなたはタコですか、それともイカですか?」と妻に言われたことも書いた。



 そうだよなあ、いっぱい持っていたって手は二本。実際に使うのってパンチンググローブとスパーリングのグローブくらいなんだろうなあ・・・ということは理屈じゃわかる。うん、わかる。しかし、わかっちゃいるけど止めらんないのスーダラ節♪(←皆さん、わかるんかい)



 そうそう、前に書いたのはメキシコのレイジェスというグローブの話だった。アチラの言葉で書くとREYESってんだけど。どこが「ジェ」の部分なんだろ。きっと「YES」あたりがジェスのジェなんだろうな。ま、どうでもいいんだけど。



 今回は日本が世界に誇るWinningのグローブの話を書こうと思うのだ。Winningはウイニングと読む。わたしはときどき「うににん」とニックネームで呼ばれることがあるが、英語で書くときはUinningかな。



 WinningとUinning。どっちも見た感じが「はらぺこあおむし」みたい。

 しかし、頭につくWとUのちがいでこんなにも威厳というか存在感というか価値観というか高級感というか、かなーり差が出るような気がするんだけど気のせいかな。ま、そのあたりもどうでもいいんだけど。





 その道の人たちに聞くと「Winningは、いい!」らしい。「縫製は丁寧だし、中身も丈夫だし」とホメる。なるほど、世界最上級クラスと言われるだけあるのだね。そのかわり、買おうと思うとやっぱり高い。



 高いけれど、「憧れー」という感じでヤフオクあたりをウインドウショッピングしていたら、中古の赤いWinningの14オンスがどどーんと出ていた。試合用の8オンスとか10オンスなんてのはよく出ているけれど、14オンスってなかなかないのだ。しかも、超破格。いいのかこれで・・・みたいな値段で。



 珍しいので、ついついポチッと入札してみたら、時間がきて落札。わお。

「やったー、Winningの14オンスをとっちゃったー」みたいな。



 わくわくして到着を待っていて、届いたものが、これ。



 あっれー? 

 写真で見るよりけっこうクタビレているかな・・・というのが正直な印象だった。



 でもなあ、せっかく買ったんだしなあ。「またヘンなの買っちゃいましたー」的にブログのネタかあと思いつつ、これをバッグに入れて新潟ボクシングジムに行った。



 縄跳びやってシャドーやって、それからリングのある部屋にいってYトレーナーに「ミット打ちお願いしまーす」とおもむろにこのグローブをつけたわけ。



 「写真でみた感じではぁ、もっと新しげだったんですけどぉ、届いたらけっこうクタビレててぇ」と言ったらチーフトレーナーのYさんが、「い、いや、これいいっすよ。あしたのジョーの世界っすよ。旧ロゴ、貴重です。これでミット打ちしてたらモッタイナイです、飾っておいたほうがいいですよ」って、わたし以上に興味をしめしてくれて。



 落札した価格を教えたらこんどは安くてビックリだったみたいで、それがわたし的にもビックリで。そ、そーなん? てな感じ。入札するほうも出品するほうも、価値をよくわかっていなかったのかも。



 そんなわけで、このWinningはわが家の家宝にして、いままでどおりジムではメキシコのREYESのお世話になりまーす。心変わりしそうになったボクを許しておくれREYESちゃん。



 そうそう、これからもブログによく出てくるかもしれないYチーフトレーナーって、東日本の新人王だったんだよね。すげー人がそばにいるんだなあっていつも地味に感動しているんだけど、本人がその偉大さをちっとも表に出していなくて、なんちゅうかそこもまたステキなんでね。



 ではでは。




uni-nin's Ownd フジタイチオのライトエッセイ

0コメント

  • 1000 / 1000