ちょっとうれしいこと

 ご存じの人も多いと思いますが、わたしの父は脳梗塞の後遺症で、要介護の認定を受けています。


 身のまわりのことはなんとか不完全ながらも自分でできるのですが、火だけはいじらないでもらっています。


 こればかりは、失敗をくり返して覚えていってもらおうって悠長なことは言ってられませんので。


 父も自分の状態をよくわかっていて、わたしの言うことを守ってくれています。親に向かって「言いつけ」なんてバチあたりとは思うのですが、しょうがないです。


 今日は、母がちょっと風邪気味で、父といっしょにお昼を食べることができませんでした。そんなときは、わたしがなにかを作ったりパンを買ってきたりして父に食べてもらうのですが、あいにくその時間帯は家から離れていました。


 そしたら、大学生の娘が父のリクエストでカップ麺を作ってくれたそうなんです。

まあ、カップ麺ですからだれでも作れるといえば作れるんですけど、お湯を沸かすことを禁じられている父は、そのカップ麺すら一人で作ることができません。それで娘に頼んだんですね。


 いくつかあるカップ麺の中から、いちばん上等でいちばん高くていちばん作るのが面倒なものを、娘は父のために用意してくれました。


 それがうれしいんです。

わたしなら、超大安売りの怪しい88円均一ラーメンを父に作っていたにちがいありませんのに、娘はおじいちゃんのことを大切に思ってくれているんだなって、そんなふうに感じてうれしかったんです。 


 家族自慢みたいで申しわけないんですけどね。



uni-nin's Ownd フジタイチオのライトエッセイ

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