フクちゃん

 フクちゃんという男の子がいます。年齢は、15歳くらいでしょうか。


 いえ、ほんとの名前は知りません。ただわたしが勝手にそう呼んでいるだけ。フクちゃんは、わたしのことを知りませんし。

 
 夕方駅にいくと、ときどき会えます。
フクちゃんは、駅のそばにある学校に通っているんです。
 
 フクちゃんは、いつも歌っているみたいにして歩きます。
 リズムをとるように、ちょっとスキップするように、ときどき手を横に広げ、ぱたぱたと小鳥のように羽ばたかせ。
 
 停めた車のバックミラーに、フクちゃんが写ります。

フクちゃんは、いつも上機嫌のように見えるんです。
 
 生きていることがとっても楽しいんだって、そんなふうに思えるんです。


 御両親の愛情をいっぱいもらっているんだなって、そう思います。


 だから、いつもあんなに楽しそうに歩いていられるんだなって思うんです。
 
 フクちゃんがわたしの車の横を通るとき、「フクちゃん、またね」と小さく言います。
 
 フクちゃんの後ろ姿は、とても幸せそうです。
 


 毎週火曜日夕方6時25分ごろから、FM新津(76.1)のチャットンロールで船尾佳代さんがわたしのエッセイを朗読してくれるんです。今回は「寝顔の力」でした。
 
 彼女がブログに今回の朗読で「寝顔の力」を選んだ理由が書かれていました。
 
 ママの腕の中でスヤスヤ眠る赤ちゃん。

その赤ちゃんを見るママの目が忘れられず、今回、このエッセイを選びました。
私も赤ちゃんを抱っこし、寝顔を見ながら、

この赤ちゃんの生涯が幸せでありますように・・・って思った。

それと、「天国の特別な子供」を授かった友達を支えたいって思った。

この赤ちゃんはきっと、色んな人に「寝顔の力」を与え、そして、色んな人から「寝顔の力」をもらうんだろうな。

絶対に幸せになる!

http://chat761.blogzine.jp/funao/2010/09/post_dec6.html
 
 
 
 
 
 フクちゃんも、「天国の特別な子供」です。


「天国の特別な子供」

Edna Massimilla  作

(大江 祐子 訳)




会議が開かれました。


地球からはるか遠くで


“また次の赤ちゃんの時間ですよ”


天においでになる神様に向かって 天使たちは言いました。


“この子は特別な赤ちゃんで たくさんの愛情が必要でしょう。


この子の成長は とてもゆっくりに見えるかもしれません。


もしかして 一人前になれないかもしれません。


だから この子は下界で出会う人々に


とくに気をつけてもらわなければならないのです。


もしかして この子の思うことは


なかなか分かってもらえないかもしれません。


何をやっても うまくいかないかもしれません。


ですから私たちは この子がどこに生まれるか


注意深く選ばなければならないのです。


この子の生涯が しあわせなものとなるように


どうぞ神様 この子のためにすばらしい両親をさがしてあげてください。


神様のために特別な任務をひきうけてくれるような両親を。


その二人は すぐには気がつかないかもしれません。


彼ら二人が自分たちに求められれいる特別な役割を。


けれども 天から授けられたこの子によって


ますます強い信仰と豊かな愛をいだくようになることでしょう。


やがて二人は 自分たちに与えられた特別の


神の思召しをさとるようになるでしょう。


神からおくられたこの子によって。


柔和でおだやかなこのこという授かりものこそ


天から授かった特別な子供なのです”



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uni-nin's Ownd フジタイチオのライトエッセイ

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