わたしの娘の話をしましょうか

わたしの娘の話をしましょうか。


もう25歳というオトナなんですけど、わたしにとっては、いつまでも子どもです。

 
ちっちゃなころは、いつもわたしにくっついていましたが、オトシゴロになりましたら、離れていって、もうそばになかなか寄ってはくれません。
 
寂しいですけど、それが正常な成長の形でしょうね。

 
ここで娘のエッセイを紹介いたしましょう。

 
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「幸せになあれ」


生まれたばかりの娘は、とても頼りなく思えました。華奢な首、細い

腕、ちいさな手。すべてをオトナに委ね、まだ一人では生きていけな

いその命。


 「この子をずっと守っていこう」と誓いました。そして、娘のホッペ

をさわりながら「幸せになるんだよ」と言いました。


 この娘(こ)のこの先予定されている苦しみや悲しみがあるのな

らば、できることなら、それをわたしに全部くださいと、神さまに祈

りました。


 その娘もいまは立派なおとなです。もうわたしがいなくても一人

で歩いていけるのですが、それでもそっと後ろに手を添えていたい

と思うのです。気づかれないように、そぉっとそぉっと。倒れぬよう

に、そぉっとそぉっと。


 そして、「幸せになるんだよ」と、いつも祈っていたいのです。
 
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聴いてください。

●財津和夫   WAKE  UP

1979年12月20日に発売された財津和夫の通算 2枚目のシングル。

http://www.youtube.com/watch?v=494lCKUIqNc
 

uni-nin's Ownd フジタイチオのライトエッセイ

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