ネズミと毛虫と平和

 おととい、縁側にいる愛犬ハチと遊んでいたら、外にあるハチの小屋の前にちいさなネズミがやってきた。
 
 まるでリスのような丸い感じのプリティなネズミで、色は黒いけれど、いわゆる「ネズミだ!」と大騒ぎするような嫌悪感はない。
 
 「おや。ネズミさーん」と和やかに挨拶できる感じさえあり、その日はそれで終わり。穏やかに出逢いは完了した。
 
 
 
 昨夜、妻が仕事から帰ってきて、わたしの前でピョコピョコしていた。


 なにか困ったことがあると、小さくハネるクセのある妻。「どうした?」と聞いたら「ハチの小屋の前にネズミが出るって聞いたんだけど」と言う。
 
 娘が昨日の日中にネズミを見たようだ。わたし同様、べつに気にもとめなかったようだが、世間話的に妻に言ったらしい。
 
 そしたらビックリした妻。ピョコピョコしている。
 
 「ネズミ、こわいの。なんとかして。うちに入ってきたらどうするの。ねえ、なんとかしてー」と言っている。
 
 わたしはテキトーに「はいはい」と返事をするのだが、家に入ってまで悪さをするタイプに見えなかったことも告げ「けっこういいヤツかもよ」とネズミの弁護なんかもついでにやっちゃう。
 
 そしたら妻はさらにピョコピョコして、「そ、そんなこと言うと、おとうさんの服に毛虫入れるぞー!」と怒る。
 
 自分はネズミはこわいけれど、毛虫はこわくないのでわたしの服に入れるのだそうだ。はいはい、平和な藤田家です。
 
猫が遊びにくればいいのねえ。
 

uni-nin's Ownd フジタイチオのライトエッセイ

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