サンクス
わシリーズ
**************
「サンクス」
抱っこされるのが大好きだったわが子たち。幼いころは二人とも、私の腕の中でスヤスヤと眠ってくれた。
その寝顔を見ながら「幸せになっておくれ」と語りかけた。もしも子どもたちに不幸が訪れそうになったときは、私がかわりになって守りたいと思った。
自分を盾にしてもわが子を守りたいと願うこと、それが親の本能だと、親になってから気がついた。
しかし、そう願っていても、守りきれないときがある。
誰が悪いんじゃない、ただ運命としかいえない出来事がある。それは突然の病気だったり事故だったり。
しかし、たとえそれが自分のせいでなくても、親は、自分自身を激しく責めるのだろうなと、親になってから思うようになった。
子どもがあまりにも親を信じきり、すべてを委ねてくれるのに、その子を守りきれなかったことで、親は自分を、責めて憎んで悲しむのだろうと思った。
そのときの苦しみを察すれば、子どもに対する悩みなんてのは、ほとんどの場合がチッポケなものに思えてくる。
子どもたちが、いま「生きている」という幸せを打ち消してしまうような悩みって、あるとしたら、それはいったいなんだ?
成績? 素行? 世間の評判?
子どもの誕生日には「ハッピーバースデー」のメッセージとともに「大きくなってくれてありがとう」と、子どもに言っているというお母さんがいた。
親の正直な気持ちを聞かされた子どもは、自分の存在を喜んでいる人がいることを確信する。
子どものために流す涙は、これからもうれし涙だけがいい。それは欲張りな願いだとわかっているけれど、だって親だもの、欲ばったっていいに決ってるだろう。
***************
ちっちゃくて泣き虫で、いつもわたしにくっついてたあの息子が、
今日で22才になりました。誕生日おめでとう。
0コメント