オーラがないの

 わたくし、自慢じゃありませんがオーラがないのです。
 
 講演会の受付に顔出して「フジタです」と名のると、係の人は名簿を見ながら「はい、フジタさんですね」と言い、「えっと、フジタフジタ・・・」と上から探しながら「えっと、どちらのフジタさんでしたっけ?」と聞いてきます。
 
 申しわけなくて「講師のフジタです」と小さな声でお答えするのですが、そんなときたまたま「高志(こうし)からきたフジタさん」がいたりして、
 
 「はい、高志のフジタさん、お疲れさまです。では、前のほうから座ってください」なんて言って資料をくれたりします。
 
 
 ええ、ほんっと申しわけなくって、「えっと、今日の講演会でお話させていただく講師のフジタです、すみません講師っぽくなくて。えーん」と半分泣きながら謝まって、控え室に連れていってもらいます。講師オーラがいつになっても身につきません。
 


 あるとき、某イベント会場の受付に「フジタです」と顔出しましたら「「あ、こっちですこっちです」とポップコーン売り場に連れていかれました。
 
 「はい、ここで作ってひとつ50円で販売してください」と言って、受付の人は去っていきました。

 

uni-nin's Ownd フジタイチオのライトエッセイ

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