失恋のススメ

わシリーズ
「失恋のすすめ」
 「好きな人には彼女がいました」というメールをもらいました。
 差出人は、二十代のちょっと知ってる女の子。
 彼女が好きになった男性には彼女がいました。いえ、彼が二股をかけていたわけではありません。たまたま好きになってしまった人に、すでに付き合っている女性がいたというだけの話です。
 彼女からきたメールには「彼はやさしく誠実で、とてもいい人です。わたしはそんな彼を好きになってしまったのですが、彼はわたしの気持ちを、ほんの少しも気づいてくれません。どうやったら、彼にわたしの想いを伝えることができるのでしょうか? 彼に会うのはうれしいけれど、会うたびにとても苦しくなってしまいます」と書いてありました。


 せつない恋の悩みだなあと思いながら、わたしは返事を書きました。
 「彼を、いまつきあっている人から奪いとることだって恋の選択肢には『あり』だろうけれどね、でも、いまのキミには奨めませんよ。なにを選んでも苦しい選択かもしれないけれど、この恋は失ってしまうほうがいいような気がします」と、たぶん彼女が求めている答えとはちがうのだろうなと思いながら、メールを書きました。
 彼女には、いまは彼しか見えないと思います。彼こそが、いまはこの世で最高の男性なのでしょう。いつも彼といっしょにいたい。彼が自分以外の女性と結婚するなんて我慢できない。そう思っていることでしょう。
 でも、彼女もほんとは気づいているはず。自分の幸せのために誰かの幸せを奪いとるなんてことは、できることならやらないほうがいいってことを。そして、好きな人をただ祝福するだけの、せつない恋だって『あり』だってことを。
 これから先、彼女には彼女が思っている以上のステキな「彼たち」との出会いがあることを信じ、「この失恋が、ますますキミをステキな女性にしてくれますように」と願って、わたしは返事を出しました。
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追伸:これを読んだFM・PORTの遠藤麻理ちゃんは「わたし、その意見に、はんたーい!」と言いました (゚▽゚*)
 

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