麻酔が効かない最終回

 ようやく最終回です。
 
 冗長になり話がややこしくなっているので整理しますと
 
 腹部に痛み→神経性胃炎と診断→納得して胃薬と痛み止めで数年耐える→倒れる→近くの病院にいく→胃の病気じゃないと言われ某病院に入院→胆嚢の病気発見→手術→3週間で退院予定→しかしその一週間後に咳と同時に激しい腹痛→虫垂炎と診断されて翌日半身麻酔で緊急手術→しかし麻酔が効かないし、虫垂炎じゃないらしい→溶ける糸で縫った胆管が外れ胆汁が体内に流れ出していた→24時間ポンプが繋がれ胆汁を外に出す→激痛ではなくなったが同じ種類の痛みが続く→一週間後に全身麻酔で再々手術→生還
 
 とまあ、そんなふうでした。
 
 
 体内で胆汁が漏れてしまったわけは、わたしの生命力が失われつつあったためです。
 
 傷を再生する力がなくなっていたのですね。だから、傷口がいつまでたってもくっつかない。
 
 咳のあと感じた腹痛は、一週間ほどで溶ける糸で縫った胆管がくっつかずに外れてしまった痛みだったようです。
 
 本来ならすでにくっついているはずの縫い目が、再生能力を失ったわたしの体ではくっついていなかったのです。
 
 そして、そこから胆汁がおなかの中に流れ、わたしの内臓を消化しようとしていた。そのため、腹膜が炎症を起して痛みを発っしていたのでした。
 
 わたしが人生で感じた最上級クラスの痛みが、どーんと何時間も続いていたのでした。
 
 
  三度目の手術が終わって数日後、体内に入っていた管は抜かれました。
 
 しかし、その管の入っていた傷口がくっつきません。はい、あいかわらずの再生能力のなさで。
 
 それで、縫合してしまうことになりました。
 
 局部麻酔で縫合したのですが・・・この麻酔がまた効かないというオチでありまして。
 
 ああもう散々な体ですって。
 
 それから4ヶ月くらい入院したのかな。あの種の病院では異例の長さ。
 
 過ぎてしまえば、あの病院生活もわたしの経験値の一部と思えるようになりました。
 

uni-nin's Ownd フジタイチオのライトエッセイ

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