ある作戦

 中古のお面を買った。
お面といっても、お祭りで売ってるようなキャラクターモノではなくて、格闘技系の顔面保護のお面だ。空手の試合で使うやつだと思う。



 ネットオークションを見ていたら1,000円で売っていたので、つい買ってしまったのだ。抑えられない好奇心ってやつかな。ふっ、オレってば若いぜ。
 
 後ろに名前が書いてあるし、かなり色あせてしまっている中古なのだ。こっそり買ったのに、茶の間に投げといたらやっぱり妻に見つかった。
 
 またガラクタ買って・・・と思っているにちがいない。たしかに妻にとってはガラクタであろう。しかし、わたしにとっては楽しいグッズだ。
 
 そうだ、妻にもこの楽しさを知ってもらえばいいのだ。うん、そうしようそうしよう。
 
 というわけで、ボクシングのグローブを妻に渡した。
 
 そのグローブは三ヶ月前に買った。「ウイニングの旧ロゴのレアものですぜー」という、知る人ぞ知る価値あるグローブだ。床の間の飾り用に買ったのだ。
 
 ホントはモッタイなくて使っちゃいけないモノなのだが、今回は特別に妻に貸してあげよう。なんとしても、この道に引き込むためだ。
 
 妻は黙ってグローブをはめた。ちなみに妻はサウスポー。
よしよし、その気になっているみたいだぞ。

 
 妻がグローブをつけたのを確認し、わたしもお面をつけた。いやん、似合っているかもー(見えてないけど)。
 
 「さあ、打ってきなさ・・・」
 
 言い終わらないうちに、左ストレートがモロに顔面に入った。
 
 がーん。効いたー。首が折れたかもー。
 
 その後も容赦のないパンチのアメアラレ。
 
 
  「あ、や、やめれっ! まだ始まってないしっ! ひっ、ひきょー。わ、わー、やめれー。わー。やめてー。えーん、やめてー」
 
 
 そんなわけで、ボクの妻は強いんです。すごいでしょ。 (T▽T)
 
ちゅうか、わたしが弱いのねん。やーん。
 

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