恋のささやき

 「頭いてー・・・」と目が覚めた。窓の外はうっすら白い。

 二日酔いだけど、楽しい飲み会だった。



 もうすぐ夜明けだ。



 ベッドの左側から「ピッピッピ・ピピピパラピッ♪」と小鳥の鳴き声が聞こえてきた。その声が終わると右側から「ピピピピ♪」と応える鳴き声がした。



 それが延々続いた。



 たぶん、先に声を出しているのはオスで、そのあとピピピと答えているのはメスなんだろうなと思う。恋のささやきなんだろうな、きっと。



 夜明けの恋。ああ、鳥の世界って健全だ。





 左の声が右に近づき、そしていつしか二羽がとても近い場所で鳴いている。









 キミたちの恋、実りましたか? 野暮を承知で気にしている。




uni-nin's Ownd フジタイチオのライトエッセイ

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