がんばれ

 息子の母、つまりわたしの妻であるけれど、ダンボール箱の中に食料品を並べていた。



 米にレトルトのカレーにドレッシングに、家にあるものや新たに買ってきたものやら、あちらのスーパーでいくらでも手に入るだろうに、それでも息子に送ってやりたいのが母の愛かな。



 オレなら、現金を渡して「必要なのを買え」となるんだけどな。母の愛はやさしい。



 その母の気持ちを「ありがたい」と思うようになるのは、もうちょっと齢とってからかな、息子。





 今朝、東京に旅立った。もうしばらくは帰ってこない。

 会社の名前は長いカタカナで、オレはなんど聞いても忘れてしまう。

赤坂にあるらしい。CRA(臨床開発モニター)っていう仕事だそうだ。



 しばらくは親のことなど忘れて、新しい生活に慣れることにエネルギーを使ったらいい。



 よっし、がんばれ。負けんじゃねーぞ。








uni-nin's Ownd フジタイチオのライトエッセイ

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