バカやろーはオマエだ!
若いころの話です。
私がまだ学生で自分の車を持ってなく、夏休みに仲間の車に乗せてもらって新潟の駅前から古町あたりを走っていたころの話です。
その夜は中学時代の同級生Aの運転する古い軽自動車で、助手席にわたし、そして後部座席にこれまた中学の同級生Bと計三人で乗っていました。
べつにどこにいくあてもないのですが、とりあえず車に乗っていれば楽しかったあの日。
事件は、いまはなきダイエーのそばで起りました。
赤信号で止まったとき、ふと横をみたら、数十メートル先に族の皆さんのバイクが十数台。
なーんかイヤな感じ。
「目を合わせないようにしよう」と、運転席のAと言葉を交しました。ヘンに刺激してメンドウなことになるとイヤですから。
そして信号が青になりました。
やれやれ、無事にこの場を離れることができるなと思ってホッとしました。
し、しかし、無事じゃなかった。
あろうことか、後ろにいたBが窓ガラスを開け族の皆さんに向かって大声で怒鳴ったんです。
「ばーかっ!」って。
し、信じられませんでしたわ。
ば、ばーか? そ、それってなによ? 族の皆さまに向かって、ばーかってなによ? なにもしていないオリコウな族の皆さんが、どーしてばーかなのよ? ばーかは、この状況ではどうしたってオマエだろ、B!
「逃げろーっ!」とわたしが言うより速く、Aはアクセル全開で突っ走りました。
しかし、族の皆さんのバイクも一斉にエンジンスタート、後ろから追っかけてきます。
うっ、うわー、マジっすかー。
オッカネー。つかまんなよー。つかまったらどうなるかわかんねーぞ。
Aも必死でアクセル踏みました・・・が、族のバイクが横にくっついたあ。うわー、走れ走れー!
しかし車がキーッと停車!
な、なに? どうしたあ!
「だ、だって、信号、赤になったんだよぅ」と、A。
がーん。こんなときでも信号を守るよい子だったのね、キミ。
族の皆さんのステキなバイクがわたしたちの車の前後左右につき、ひとり降りふたり降り、わたしたちの車に近づいてきます。あ、ああ、もうだめ。
このまま車から引きずりおろされ、ボコボコにされるのかしら、ボクタチ。
と、覚悟を決めたそのときです。
前方からパトカーがサイレン鳴らして走ってきました。
族の皆さん、一気にUターン。
まさにクモの子を散らすっていう状態はこのこと。
どなたかが、族がたむろしているって通報してくれたのか、それともたまたまパトロールしていてこの騒ぎに遭遇したのか、とにかくほんとに運が良かったですわ。
その後、ラーメン屋に入ったのですが、そこでBが言うには、まさか追っかけてくるとは思わずに、イキがって叫んでしまったとのことです。
「ほら、オレってさ、自分の気持ちに正直に生きたいからさ。不器用な生き方しかできないのよ、ふっ」なーんて、もう完全に自分に酔っておりました。
不器用ならもっと静かにしてろー! と、わたしは自分の気持ちに正直に抗議し、ヤツの目を覚まさせるために、ラーメンからチャーシューとって食ってやりました。
私がまだ学生で自分の車を持ってなく、夏休みに仲間の車に乗せてもらって新潟の駅前から古町あたりを走っていたころの話です。
その夜は中学時代の同級生Aの運転する古い軽自動車で、助手席にわたし、そして後部座席にこれまた中学の同級生Bと計三人で乗っていました。
べつにどこにいくあてもないのですが、とりあえず車に乗っていれば楽しかったあの日。
事件は、いまはなきダイエーのそばで起りました。
赤信号で止まったとき、ふと横をみたら、数十メートル先に族の皆さんのバイクが十数台。
なーんかイヤな感じ。
「目を合わせないようにしよう」と、運転席のAと言葉を交しました。ヘンに刺激してメンドウなことになるとイヤですから。
そして信号が青になりました。
やれやれ、無事にこの場を離れることができるなと思ってホッとしました。
し、しかし、無事じゃなかった。
あろうことか、後ろにいたBが窓ガラスを開け族の皆さんに向かって大声で怒鳴ったんです。
「ばーかっ!」って。
し、信じられませんでしたわ。
ば、ばーか? そ、それってなによ? 族の皆さまに向かって、ばーかってなによ? なにもしていないオリコウな族の皆さんが、どーしてばーかなのよ? ばーかは、この状況ではどうしたってオマエだろ、B!
「逃げろーっ!」とわたしが言うより速く、Aはアクセル全開で突っ走りました。
しかし、族の皆さんのバイクも一斉にエンジンスタート、後ろから追っかけてきます。
うっ、うわー、マジっすかー。
オッカネー。つかまんなよー。つかまったらどうなるかわかんねーぞ。
Aも必死でアクセル踏みました・・・が、族のバイクが横にくっついたあ。うわー、走れ走れー!
しかし車がキーッと停車!
な、なに? どうしたあ!
「だ、だって、信号、赤になったんだよぅ」と、A。
がーん。こんなときでも信号を守るよい子だったのね、キミ。
族の皆さんのステキなバイクがわたしたちの車の前後左右につき、ひとり降りふたり降り、わたしたちの車に近づいてきます。あ、ああ、もうだめ。
このまま車から引きずりおろされ、ボコボコにされるのかしら、ボクタチ。
と、覚悟を決めたそのときです。
前方からパトカーがサイレン鳴らして走ってきました。
族の皆さん、一気にUターン。
まさにクモの子を散らすっていう状態はこのこと。
どなたかが、族がたむろしているって通報してくれたのか、それともたまたまパトロールしていてこの騒ぎに遭遇したのか、とにかくほんとに運が良かったですわ。
その後、ラーメン屋に入ったのですが、そこでBが言うには、まさか追っかけてくるとは思わずに、イキがって叫んでしまったとのことです。
「ほら、オレってさ、自分の気持ちに正直に生きたいからさ。不器用な生き方しかできないのよ、ふっ」なーんて、もう完全に自分に酔っておりました。
不器用ならもっと静かにしてろー! と、わたしは自分の気持ちに正直に抗議し、ヤツの目を覚まさせるために、ラーメンからチャーシューとって食ってやりました。
レッツゴーじゃねーし
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