ドギマギした理由

 ある幼稚園で講演会をさせていただいた。

その数日後、その講演を聴いていたという男性から「絵本がほしい」とのメールをいただいた。



 そう、たしか、顔は覚えていないが、若い男性が一人だけいたような気がする。



 しかし、例によって絵本は品薄。だいぶ待っていただくことになりますと返事を書いたが、それでもよいとのことだった。



 それがやっと完成したのでメールを入れ、その方がちょうど幼稚園の行事があって顔を出しているという日にお渡しすることになった。



 その方の顔がわからないのだが、たぶん園の行事に男性の参加者は少ないだろうから、幼稚園の人に聞けばなんとかなるだろうと軽い気持ちでいった。



 しかし、ここでなかなか苦労した。



 それらしい人が見つからないのだ。



 「園児の名前はわかりますか?」と聞かれたけれど、それがわからない。



 かなり探してもらって、最終的にはお会いすることができてメデタシメデタシ。



 なんのことはない、わたしが男性だと思いこんでいたその人は、じつは女性だったのだ。



 その人のお名前は、漢字の読みかたによって男性にもなるし、すごくかわいい女性の呼びかたにもなる。





 男性だとばかり思っていたのに、目の前に若くステキな女性が立っていて、「え、えっと」とか「あの」とか、なんだか急にドギマギしてしまったわたしは、まだ修業が足りないウブなヤツ。






uni-nin's Ownd フジタイチオのライトエッセイ

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