春風を感じるカプセル

 もうずいぶんと前のことになるのだが、わたしの始めて出した本が「せとぎわの護身術」というハウツーものだった。



 これは、ヤンチャなオトコたちのケンカや格闘技で使う人を対象にした本ではなく、力の弱い子どもや女性が犯罪や暴漢からどうやって生き延びることができるかということをテーマに書いたものだ。



 推薦図書にもなり、当時はけっこう売れてくれたが、その出版社もいまはなくなったようだ。



 内容をざっと説明すれば、「飛んでくる火の粉を振り払うことではなく、火の粉に遭遇しないことを目的にした」ものだが、それでも火の粉はあちらから寄ってくることがある。そんなとき、力の弱い人たちはどうして逃げたらいいかを書いてみた。



 その本を作るとき、亀田駅前で「ピロクテテス新潟」の代表をしている風田陣先生にはたいへんお世話になった。風田先生は、元はキックボクサーであったが、その後総合格闘技の「修斗」に転身なさり、当時は新潟でただ一人のプロであった。



 手土産にドラ焼きをもってピロクテテスにいったとき、「ぼく、甘いもの大好きなんです」と受けとってくださったシャイな笑顔が印象的だった。



 先生からは、体の上に暴漢が乗ってきたときの逃げかたを教わった。もちろんプロにはプロの専門的な脱出方法があるのだけれど、素人ではそれができない。だから、それとはちがう超実戦の脱出方法である。その具体的は方法は本に書いてあるので、古本屋さんで見つけたら立ち読みでもしてくだされば幸いである。ああ、たぶん全国の中学校の図書館には置いてあると思う。そうそう、Amazonで中古が1円で売ってた(信じられなーい。買っちゃおうかな)。



 おっと、前置きが長くなってしまった。

 その風田先生が接骨院を開業した話を書きたかったのだ、わたしは。



 その名は「はるかぜ接骨院」。先生のジム「ピロクテテス新潟」と同じ建物にある。



 接骨院を作るのが先生の夢のひとつであり、それが11月2日に叶った。願い続けて行動していけば夢はかなうのだな。



 その接骨院の無料体験会の案内をいただき、顔を出してきた。

 「こんにちは」とドアを開けたら「あ、フジタさん!」とすぐに声をかけてくれた人が先生の奥様。んもー、久しぶりなんだけど、ぜんぜん変わらず若くてビックリ。そっかー、奥様もスタッフでいるのならなお安心。笑顔がステキな奥様が患者さんとお話をするのなら、皆さんさらにリラックスした状態で治療を受けることができるはずだ。

 

 中に入るとこんなのがある。



 あのサッカーのベッカムが骨折したときに早く治すためにと入ったという酸素カプセルが、この「はるかぜ接骨院」にも置いてあった。



 このカプセルの理屈を簡単に説明すると、酸素には、『結合型』と『溶解型』という2種類があり、通常の呼吸で取りいれる酸素のほとんどは『結合型』という。



 その『結合型』の酸素は、毛細血管よりも粒子が大きい為、そのままでは体中を巡ることができない。



 しかしこの酸素カプセルでは、ガス化した『溶解型』酸素を発生させ、更に気圧をかけることにより、毛細血管やリンパ液にも直接酸素を入れることができるというものなのだ。



 その結果、体の隅々にまで酸素を行き渡らすことができ、健康増進・アンチエイジング・免疫力のアップ、身体機能のコンディショニング・疲労回復を助ける効果があると言われている。



 と、なんだかんだ語るよりも、せっかくの無料体験会であるから、わたしもちゃっかり入ってみたので、そのときのことを書いておこう。



 ではでは。

 じゃーん。



 カパッとフタを開けて





 スルッと入る。



 こうやってみると暗い感じだが、意外と広い。寝返りもうてる。うつぶせになってラーメンだって食える。



 顔のところが大きく半透明の状態になっているから、たとえ閉所恐怖の人でも問題ないと思う。







 顔の左側に情報パネルがあって、いま現在の状態がわかる。



 ただいま気圧があがっている状態。その段階で耳がツーンとした感じになることもあるが、鼻をつまんで「ん!」とハナをかむように力を入れると元に戻る。いわゆる耳抜きだ。



 横になっていると気持ちがいい。

 脳に回る酸素の量が増えているせいか、いまこの体験をどうやってブログにまとめようかなどなど、ネタなどがいろいろと浮かんでくる。





 「あー、気持ちよかった」と酸素カプセルから出た。



 スッキリして、さあ帰ろうと思ったら



 「どこか体の痛いところはありませんか」と聞かれた。わるいところがあれば治療してくださるというのだ。せっかくなので「右の足首が痛くて」と図々しくお願いした。



 じつは新潟シティマラソンを走る前から、右の足首が痛くて痛み止めの注射をしてもらっていたのだ。注射すると痛みはなくなるが、その効果が切れるとまた痛みだす。わたしとしては走るときに痛みがなければいいと思っていて、ちゃんと治療はしていなかった。おかげでいまは縄とびすらできない。もっともほっといてもそのうち治ると思っているのだが。





「どれどれ」とわたしの足首を診て「扁平足ですね」と言いながら、そこに電気をかけてくれる院長先生。



 ちなみに、ピロクテテスの風田先生が治療をするわけではない。風田先生は資本を提供する係。名古屋から優秀な先生をスカウトしてきているのだ。



 ああ、電気のビリビリ感が気持ちいい (=´▽`=)ノ

 そしてそのあとは



 ジェルを塗って超音波治療。

 患部が中からあったかーい。





 最後にテーピング。



「はい、いいですよ」と言われ、ベッドの横に立ったら、足がウソみたいに軽い。



 もちろん、患部の炎症がすべて消失したはずはないが、それでもかなりの違いを感じた。その場で飛び跳ねてみたけれど、痛みがほとんど消えている。



 ウッソみたーい。



 体も心もホッカホカになった。

 次の日曜日に、今シーズン最後の五泉紅葉マラソンに出場するのだが、けっこういい感じで走りきれるんじゃないかと思う。






uni-nin's Ownd フジタイチオのライトエッセイ

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