じいちゃんの覚悟

 去年の暮れに転んで整形に入院し、そのときから尿道に管が入って、ビニール袋を体にぶら下げた爺ちゃん。



 透明なビニール袋に尿を溜めて、ようするに、トイレで用が足さないわけだ。





 爺ちゃんは、それがたまらなくイヤなようだ。

 たくさんの人の手を煩わせてしまうことが申し訳ないという。



 今日、その相談のために泌尿器科に行ってきた。



 「手術のできる病院でなんとかしたいから、紹介状をお願いします」と。

 ちなみに、そこは手術をしない病院。





 しかし、いい返事はもらえなかった。



 「いろんな病気を持っているし薬も飲んでいるので、危険です」ということだった。

 

 心配したとおりの答えが返ってきた。





 「おじいちゃん、その手術はおじいちゃんには危険ですよ」と、耳の遠い爺ちゃんに顔を近づけて伝える優しい顔のドクター。



 しかし、爺ちゃんは「死んでもいい」と言う。



 治せる可能性があれば、こんな状態で、残りの人生を過ごしたくないと言う。



 正直、わたしもそう思う。爺ちゃん、辛かろう。





 だから、手術のできる病院で診察してもらえるよう、何度も頼み込んで紹介状を書いてもらった。



 「どこへいっても同じですよ」と言われたけれど、いかなければ爺ちゃんは納得しないだろう。





 そこで、なんとかいい方法が見つかればいいな。

uni-nin's Ownd フジタイチオのライトエッセイ

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